防水パンの高さで失敗しないための3つのチェックポイント｜設置前に知りたい基礎知識

洗濯機を新しく買い替えたら、「設置できない」「排水ホースが折れ曲がる」「なんだかガタガタする」——そんな経験はありませんか？

こうしたトラブルの多くは、防水パンの“高さ”が合っていないことに原因があります。

防水パンといえば、洗濯機の下に設置される受け皿のような設備。

幅や奥行きばかりに目が行きがちですが、実は高さの選び方が設置の成否を大きく左右するのです。

防水パンの「高さ」がなぜ重要なのか？

防水パンは洗濯機周りの水漏れを防ぐ重要な役割を担っていますが、その機能を最大限に発揮するためには「高さ」が非常に大切です。

適切な高さでないと、排水のトラブルや設置時の不具合、さらにはメンテナンスのしにくさにつながってしまいます。

では、具体的にどのような点で高さが影響するのでしょうか？

ここからは、防水パンの高さが設置環境や洗濯機の種類によってどのように変わるのか、また排水や掃除への影響を詳しく見ていきます。

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洗濯機の設置トラブルは「高さ不足」から起きる

洗濯機の設置において、意外と見落とされやすいのが「防水パンの高さ」。

特にドラム式などの大型洗濯機を設置する場合、「パンの縁が高すぎてホースが入らない」「洗濯機の脚がフチにぶつかって安定しない」など、数cmの高さ差がトラブルの原因になります。

設置直後は問題がなくても、排水がスムーズにいかずに水が逆流したり、ホースが破損したりといったリスクも。

設置スペースの広さだけでなく、パンの高さが洗濯機に合っているかを事前に確認することが大切です。

水漏れ・振動・掃除のしにくさに直結

防水パンの高さは、排水や掃除のしやすさにも大きく影響します。

例えば、高さが足りない（浅い）タイプの防水パンは、ちょっとした水漏れでも床に被害が及ぶ可能性があります。また、パンが低すぎると、排水トラップの取り外しや掃除がしにくくなり、ニオイや詰まりの原因にもなります。

逆に、高すぎるパンは掃除がしやすい一方で、洗濯機の安定性が悪くなったり、給水ホースの長さが足りなくなったりすることも。

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防水パンの高さにはどんな種類がある？

防水パンの高さは、設置場所や洗濯機のタイプに合わせてさまざまな種類があります。

高さの違いによって、設置のしやすさや水漏れ対策の効果、掃除のしやすさにも大きな差が出るため、自分の環境に合った選び方が重要です。

ここでは、一般的に使われる高さのタイプを「浅型」「標準型」「高型」の3つに分け、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

側面の高さ（フチの高さ）とは？

防水パンの「高さ」というと、主にパンの縁（フチ）部分の高さを指します。

これは、洗濯機を囲むように立ち上がっている側面のことで、一般的には5〜10cm（50〜100mm）程度が主流です。

この側面の高さは、水漏れ時に水を受け止める役割を果たします。

高すぎると排水ホースや洗濯機本体と干渉することがありますが、ある程度の高さがある方が、水トラブルへの備えとしては安心です。

また、近年では側面が低めに設計されたモデルも登場しており、ドラム式などの大型洗濯機に対応しやすいタイプも増えています。

かさ上げ式防水パンとは？

「かさ上げ式防水パン」とは、通常より底面が高く設置されているタイプのパンを指します。

フチ自体の高さはあまり変わらなくても、洗濯機の設置面が床から高くなることでさまざまなメリットがあります。

• 排水トラップが見えやすく、掃除・点検がしやすい
• 排水ホースに余裕ができ、無理な角度になりにくい
• 振動対策や通気性の向上に役立つ

かさ上げには、専用の脚部パーツや台座を使用するケースもあります。

リフォーム時や防水パンの交換時には、こうした調整式・かさ上げ対応モデルを検討するのもおすすめです。

一般的な防水パンの高さ（標準寸法）

一般家庭や賃貸住宅で多く使われている防水パンの標準的な高さは、フチの高さで60mm〜80mm程度です。

以下は代表的な寸法の目安となります。

種類	高さの目安	特徴
浅型タイプ	約50〜60mm	設置しやすいが、水の受け止め力はやや低め
標準型	約70〜80mm	多くの住宅で使用されるタイプ。バランス良好
高め・かさ上げ型	約100mm以上	排水や掃除がしやすいが、スペース確認が必要

また、製品によってはパン底の高さ（床面からの全高）が異なります。

実際に必要な高さは「洗濯機の脚高さ＋排水トラップ＋余裕寸法」で判断するのが理想です。

表記	読み方	例
W（Width）	幅	例：W700mm（＝幅70cm）
D（Depth）	奥行	例：D640mm（＝奥行64cm）
H（Height）	高さ	例：H120mm（＝高さ12cm）

高さが合わないとどうなる？後悔しがちな事例

防水パンの高さが洗濯機や設置場所に合っていないと、思わぬトラブルや不便が起こりがちです。

設置後に「もっとこうすればよかった」と後悔するケースも少なくありません。

たとえば、水漏れや排水不良、掃除のしにくさ、洗濯機の動作不良など、日常生活に支障をきたす問題が発生します。

ここからは、実際によく見られる高さのミスマッチによるトラブル事例と、その原因を具体的に紹介していきます。

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排水ホースと干渉してうまく排水できない

防水パンの高さが洗濯機や排水ホースに合っていないと、排水経路に無理が生じてトラブルの原因になります。

たとえば、パンのフチが高すぎると、ホースが鋭角に折れ曲がってしまい、排水が逆流したり、詰まりやすくなったりします。無理に設置すると、ホースの劣化が早まり、水漏れのリスクも高まります。

また、ドラム式洗濯機のように排水口の位置が低いモデルでは、パンの高さがネックになるケースが多く、「設置できなかった」「想定よりホースが出っ張って見た目が悪い」といった声も。

高さの選定を誤ると、見えないところで排水トラブルを招くため、事前の確認が不可欠です。

洗濯機の脚がパンに当たって設置できない

防水パンの内寸（内側の幅・奥行き）に問題がないように見えても、実際には高さの影響で洗濯機の脚がパンのフチに当たることがあります。

特に最近のドラム式洗濯機は、設置脚の位置が外側に広がっているものも多く、パンのフチが邪魔で設置できない／ぐらつくという事例が増えています。

こうしたケースでは、設置を無理に進めてしまうと、洗濯機が傾いた状態で使うことになり、異音や故障の原因になります。最悪の場合、洗濯機が動いてしまい、給水ホースが抜けて水漏れするなど、深刻な事故につながる恐れも。

掃除・点検がしづらくメンテナンス性が低下

防水パンの高さが低すぎると、排水トラップやホース周辺の掃除がしづらくなります。

排水口の詰まりやニオイの原因になる汚れは、定期的に掃除する必要がありますが、パンが床に近すぎると、手や掃除道具が入らず作業性が著しく低下します。

一方で、かさ上げタイプの防水パンを使用すれば、底面に手が入るため掃除しやすく、メンテナンス性が大幅に向上します。

つまり、防水パンの高さは日々の使い勝手や長期的な衛生管理にも関わる重要な要素なのです。

防水パンの高さはどう選べばいい？

防水パンの高さは、洗濯機の種類や設置スペース、そして日々の使い勝手に大きく影響します。

適切な高さを選ぶことで、水漏れのリスクを減らし、掃除やメンテナンスもスムーズに行えます。

しかし、初めて防水パンを選ぶ場合は「どの高さが自分の環境に合うのか分からない」と悩む方も多いでしょう。

ここでは、防水パンの高さ選びで押さえておきたいポイントや注意点をわかりやすく解説し、最適な高さの選び方をご提案します。

洗濯機の種類（ドラム式 or 縦型）で違う

防水パンの高さを選ぶ際にまず確認したいのが、洗濯機のタイプです。
とくに重要なのは、排水口の位置と洗濯機の脚の高さ。これらが防水パンのフチや底面の高さと干渉しないようにする必要があります。

洗濯機の種類と構造によって、相性の良い防水パンの高さは異なるため、設置予定の機種のサイズ・排水ホースの位置を事前に確認することが重要です。

ドラム式洗濯機

ドラム式洗濯機は本体が大きく、脚も広めに配置されているため、防水パンのフチに当たりやすい傾向があります。

また、排水ホースの位置も低めに設計されているため、フチが高すぎると排水ホースがつけられない・曲がってしまうなどの問題が起きやすくなります。

縦型洗濯機

一方で、縦型洗濯機は本体の奥行きが短めで、脚が内側についているモデルも多いため、標準的な防水パンでも比較的干渉しにくいケースが多く見られます。

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排水位置や周辺スペースとのバランスを確認

高さ選びでもうひとつ見逃せないのが、排水位置の確認と、洗濯機周辺のスペースの余裕です。

• 防水パンが低すぎると、排水口が床に近くなりすぎて掃除や点検がしづらくなる。
• 高すぎると、給水ホースや電源コードの長さが足りず、無理な設置になる。
• 防水パンの高さによっては、洗濯機を設置したときにドアや蓋が完全に開かないといった問題も。

とくに狭いユニットバスや賃貸の洗濯スペースでは、数cmの違いが致命的になることもあるため、実際のスペース寸法と動線をイメージしながら選ぶことが大切です。

リフォーム・交換時は高さ調整も視野に

「今の防水パンの高さが合っていない」「排水しづらくて困っている」という場合には、リフォームや交換によって高さを調整するのも選択肢のひとつです。

近年では、以下のような対応が可能です。

ただし、既存の住宅や賃貸物件では床下の構造によって設置できる高さが制限されることもあります。そのため、無理に自力で調整しようとせず、専門業者に相談するのが安心です。

おすすめの防水パンの高さタイプと特徴

防水パンにはいくつかの高さタイプがあり、それぞれに設置性・掃除のしやすさ・排水トラブルの起こりにくさなど、特徴が異なります。

ここでは、代表的な高さごとの特徴をわかりやすく解説します。

タイプ	高さの目安	向いている家庭	特徴	注意点
浅型	～60mm	賃貸・省スペース重視	設置が簡単で干渉が少ない	排水・掃除がしづらい
標準型	70〜80mm	一般家庭向け	バランスが良く無難	ドラム式は干渉注意
高型	100mm以上	戸建て・メンテ重視	排水・掃除しやすい	設置スペースに注意

60mm以下（浅型）｜掃除しにくいが設置しやすい

高さが60mm（6cm）以下の防水パンは、「浅型」と呼ばれるタイプで、主にスペースが限られた場所や設置性を優先する場面で使われます。

70〜80mm（中間）｜多くの賃貸住宅で使われる標準サイズ

一般的な賃貸住宅や分譲マンションでよく使われているのが、高さ70〜80mmの防水パン。
これは「標準型」とされており、設置のしやすさと機能性のバランスが取れているのが特徴です。

100mm以上（高め）｜かさ上げ式で排水がしやすい

100mm（10cm）以上の高さを持つ防水パンは、「かさ上げ型」または「ハイタイプ」と呼ばれ、排水トラブルや掃除のしやすさを重視する家庭に人気です。

防水パンの高さを変更・調整したいときは？

洗濯機の買い替えや引っ越し時に、「防水パンの高さが合わない」「掃除しづらいから交換したい」と感じることは少なくありません。
このセクションでは、防水パンの高さを変更・調整する方法や注意点、業者に依頼する際のポイントを解説します。

設置済みの防水パンを自分で交換するのは難しい？

結論から言うと、防水パンの交換や高さの調整を自分で行うのは難易度が高いです。
理由としては以下のとおりです。

• 排水口に接続された排水トラップを取り外す必要がある
• 床にビス固定されている場合が多く、取り外しには専用工具が必要
• 排水の接続を間違えると水漏れや悪臭の原因になる
• マンションや賃貸では、勝手な工事がNGな場合も

DIYが得意な方でも、排水管や床材を傷つけるリスクがあるため、原則として専門業者への依頼を推奨します。

専門業者に依頼するメリットとは？

防水パンの交換や高さ調整を専門業者に依頼することで、以下のようなメリットと安心感があります。

専門的な知識と道具で正確に施工できる

排水口の位置調整やパンの設置、水平の確保まで、正しい知識と経験が必要です。プロなら、機種ごとの特性も踏まえて、トラブルのない施工が可能です。

メーカー対応の製品に交換してもらえる

既存のパンと合うものを選ぶだけでなく、洗濯機との相性も考慮した製品提案が期待できます。

万が一の水漏れにも対応できる

施工後の水漏れ・不具合があった場合の補償対応があるのも、業者に依頼する安心ポイントです。

「かさ上げ式にしたい」「ドラム式に変えたいからパンを新しくしたい」など、洗濯機まわりの環境をトータルで改善したい場合にも、プロに相談するのがベストです

業者選びで失敗しないためのポイント

防水パンの交換を依頼する業者は、「安いから」「近いから」だけで選ばず、以下のような点をチェックしましょう。

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水回り専門の業者かどうか

防水パンの設置を依頼する際には水道局指定工事店や、水まわり専門業者胃に依頼するのがおすすめです。

防水パンは給排水設備の一部なので、水道工事の知識がない業者に任せると、水漏れや排水トラブルの原因になることがあります。

安全・確実な施工のためには、水道局指定工事店や水まわり専門の業者がおすすめです。資格を持ち、経験豊富な業者なら、適切な高さや排水位置で設置してくれるため、安心して任せられます。

防水パンの施工実績があるか

洗濯機周辺の防水パン設置や交換を検討するときは、業者選びが非常に重要です。まずは、業者の公式サイトをチェックしてみましょう。多くの信頼できる業者は、過去の施工事例を写真付きで公開していることが多く、どのような環境でどんな種類の防水パンを設置したのかを具体的に確認できます。

これにより、自分の洗濯機や設置スペースに似たケースがあるかどうかを把握しやすくなります。

料金体系が明確か

「出張費」「材料費」「撤去費用」「養生作業」などが明示されているかチェックしましょう。
曖昧な見積もりを出す業者は避けた方が無難です。

「別途」とだけ書かれていたり、費用の内訳がわかりにくい場合は後で追加費用が発生する可能性があります。明細がはっきりした業者を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎましょう。

口コミ・評判の確認も忘れずに

GoogleマップやSNS、比較サイトなどでリアルな利用者の声を参考にすると、トラブルのリスクを減らせます。

ただし異常に「いい評価」が多すぎる口コミを鵜呑みにするのは危険です。低い評価も併せて吟味することをおすすめいたします。

防水パンの高さについてよくある質問≪Q＆A≫

まとめ

防水パンの高さは、洗濯機の種類や設置環境によって最適なサイズが変わります。
高さが合わないと排水トラブルや設置不良の原因になるため、事前に正確なサイズを把握し、必要に応じて専門業者へ相談しましょう。

かさ上げ台や高さ調整可能な防水パンを活用すれば、使いやすさやメンテナンス性も向上します。
近くの水道屋ネットでは、信頼できる専門業者の情報も掲載していますので、ぜひご活用ください。

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