トイレ詰まりの原因が木の根？知らないと危険な症状と対処法

トイレの詰まりといえば、紙の流しすぎや異物の混入が一般的な原因と思われがちです。

ですが実は、敷地内の木の根が排水管に侵入し、詰まりの原因になっているケースが意外と多いのをご存知でしょうか？

「最近、トイレの流れが悪い」「何度も詰まって困っている」──そんな症状が続いているなら、意外な原因として“木の根”が関係している可能性があります。
一見無関係に思える木の根ですが、排水管に侵入し、水の流れを妨げることでトイレ詰まりを引き起こすことがあるのです。

木の根がトイレ詰まりの原因になるって本当？

排水管は地中に埋まっており、地上に植えられた木の根は水分を求めて成長します。

一見頑丈そうに見える排水管でも、長年の劣化や地盤のズレによってわずかなすき間が生じてしまうことがあります。

そこから侵入した木の根は内部で思いがけないほど大きく成長し、深刻なトラブルにつながるのです。

どこから木の根が侵入してくるのか

木の根が入り込むのは、主に次のような場所です。

• 排水マス（桝）の継ぎ目やフタのすき間
• 古くなったコンクリート製の排水管のひび割れ
• 塩ビ管の接続部のズレや劣化部

特に昭和時代〜平成初期に施工された住宅では、古いコンクリート製の排水管（陶管・モルタル管など）が使われていることが多く、経年劣化によってすき間が生じやすくなっています。

また、地中で発生した根の侵入は、普段の生活では気づきにくいため、「なんか最近よく詰まるな……」と思ったときにはすでに根が広がっていることも珍しくありません。

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どんな木が原因になりやすい？

木の根による排水管トラブルの原因として多いのは、以下のような根の成長が早い木や水を好む植物です。

• ヤマボウシ、モミジ、サクラ
• キンモクセイ、ツツジ
• 竹、笹などの地下茎植物
• シマトネリコ、イチョウ、クスノキ など

庭木として人気のある木でも、排水管の近くに植えられているとトラブルの原因になります。

特に根が広がりやすい種類は、地表から数メートル離れていても油断できません。

木の根が原因の詰まりで見られる主な症状

木の根が排水管に入り込んでいる場合、初期のうちはトイレの詰まりと見分けがつきにくいこともあります。
しかし、進行すると明らかに通常の詰まりとは違うサインが現れてきます。

以下のような症状がある場合は、木の根による排水トラブルの可能性を疑ってみましょう。

水の流れが悪い・ゴボゴボ音がする

トイレを流したときに、「ゴボゴボ」「ボコン」という音が聞こえたり、水の流れがいつもより弱いと感じたら要注意。
これは、排水管内で根が水の通り道を狭めていることで起きる現象です。

とくにトイレットペーパーを少量流しただけでも詰まり気味になる場合、単なる使用ミスではなく、構造的な問題の可能性が高くなります。

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庭や外に下水のにおいがする

排水管のヒビや隙間からにおいが漏れてくることがあります。
木の根が内部で詰まりを引き起こしていると、汚水がスムーズに流れず、配管から悪臭が外部に漏れ出すことがあるのです。

家の周囲で「いつもと違う下水のにおい」を感じるようになったら、配管の異常を疑うサインです。

頻繁に詰まる・何度もラバーカップを使っている

ラバーカップ（スッポン）や薬剤で何度か解消しても、数日〜数週間でまた詰まるような場合、木の根が根本原因になっている可能性が高いです。

根による詰まりは、内部で物理的に汚れを絡め取って蓄積させるため、時間が経つほど悪化します。
一時的に改善しても、根を除去しない限り再発を繰り返すことがほとんどです。

このような症状に心当たりがある場合は、早めに専門業者に相談して、排水管内の状態を確認してもらうことをおすすめします。

木の根による詰まりの対処法と修理方法

木の根によるトイレ詰まりは、一般的なラバーカップや市販の洗浄剤では根本的な解決が難しいケースがほとんどです。
ここでは、応急処置から専門的な対処方法まで、状況に応じた対応策を紹介します。

一時的な応急処置はできる？

軽度の詰まりであれば、一時的に流れを改善するためにラバーカップや高圧ポンプでの吸引が効果を発揮することもあります。
ただしこれはあくまで「表面的な詰まり」を押し流すだけの応急処置にすぎません。

木の根が原因の場合、排水管の奥深くで汚れが絡まり合っているため、表面だけを処理してもすぐに再発します。
つまり、応急処置で流れが回復しても、安心せずに原因調査を行うことが重要です。

業者による高圧洗浄・カメラ調査

木の根が疑われる場合、まず必要なのは排水管内の調査（内視鏡カメラ調査）です。
これにより、どこに根が侵入しているのか、どの程度の詰まりが発生しているのかを可視化できます。

調査後、高圧洗浄機によって根や汚れを除去するのが一般的な流れです。
特殊なノズルを使って水圧をかけ、排水管の内側から根を切断・洗い流す作業が行われます。

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排水管の交換や補修が必要なケースも

もし根の侵入がひどく、排水管に亀裂や破損が見つかった場合は、単に根を除去するだけでは不十分です。
この場合、以下のような排水管の補修・交換工事が検討されます。

• 部分的な配管の取り替え
• 配管全体の入れ替え（古い住宅の場合）
• 樹脂ライニング工法（配管の内側から補強）

これらの工事は費用や日数がかかることもありますが、根本的な解決につながる確実な方法です。

トイレ詰まりが木の根だった場合の費用相場

木の根が原因のトイレ詰まりは、一般的な詰まり修理に比べて専門的な対応が必要なため費用も高くなる傾向があります。
ここでは、状況別にかかるおおよその費用目安を紹介します。

高圧洗浄・根の除去にかかる費用

木の根の除去で最も多いのが、高圧洗浄機を使った根切り作業です。

• カメラ調査：15,000円〜30,000円程度
• 高圧洗浄：20,000円〜50,000円程度（詰まりの度合いによる）

カメラ調査とセットで依頼することが多く、合計で3万円〜8万円程度が相場となります。

排水管修理・交換時の目安

根の侵入によって配管が破損している場合は、修理や交換が必要です。

• 部分的な配管交換：5万円〜15万円程度
• 配管全体の交換（数メートル規模）：30万円〜100万円以上（住宅規模や配管距離により大幅に変動）

古い住宅や配管の状況によっては、費用が高額になるケースもあります。

さらに排水桝にヒビが入っているなどの劣化がみられる場合には、交換に約50,000～100,000程度の費用がかかることも覚えておきましょう。

火災保険・地盤保証が使えるケースも

稀にですが、排水管の破損や地盤のズレが原因の場合、火災保険や地盤保証が適用されることがあります。
保険適用の可否はケースバイケースなので、業者と相談して確認しましょう。

木の根によるトラブルを防ぐための予防策

木の根が排水管に侵入してしまうと、トイレ詰まりの原因になるだけでなく、排水管の破損や悪臭の発生など、深刻なトラブルにつながります。
ここでは、そんな被害を未然に防ぐための具体的な予防策を紹介します。

敷地内の樹木管理（剪定・伐採）

まずは、排水管の周囲に植えられている木の管理が重要です。
特に排水管の近くに根が伸びやすい種類の木は、定期的な剪定や場合によっては伐採を検討しましょう。

• 根が排水管方向に伸びないように注意
• 新たに木を植える際は、排水管から十分な距離を確保
• 庭師や専門業者に樹木の健康状態や根の伸びを確認してもらうのも効果的

排水管の点検とメンテナンスの重要性

排水管は地中に埋まっているため、目視での確認は難しいですが、定期的なカメラ調査や高圧洗浄を行うことがトラブル防止につながります。

• 排水管内のひび割れや根の侵入を早期発見
• 汚れの蓄積を除去し、水の流れをスムーズに保つ
• 業者に定期点検の契約をすることで安心感が得られる

再発を防ぐための施工（樹脂ライニングなど）

もし排水管が古くなっている場合や根の侵入が繰り返される場合は、樹脂ライニング工法などの配管補修が効果的です。

• 配管の内側に特殊な樹脂を塗布して補強
• 新たなひび割れや根の侵入を防止
• 工期が短く、掘り返し工事が不要なケースもある

木の根が原因のトイレ詰まりに関してよくある質問≪Ｑ＆Ａ≫

まとめ

トイレの詰まりの原因として意外に多いのが、地中から侵入する木の根です。
木の根は排水管の隙間から入り込み、管内で成長・絡まりながら水の流れを妨げ、詰まりや悪臭、さらには配管の破損まで引き起こします。

初期段階では気づきにくいものの、水の流れが悪くなったり異音がしたり、頻繁に詰まる場合は木の根の可能性が高いです。
自己判断で無理に処理しようとすると被害が拡大する恐れがあるため、早めに専門業者に相談して内視鏡カメラ調査や高圧洗浄で根本的な原因を突き止め、適切な対処を行うことが重要です。

また、木の根の侵入を防ぐためには、庭木の管理や定期的な排水管点検、必要に応じた配管補修・交換などの予防策を日頃から心がけることがトラブル回避につながります。