【排水管に熱湯は使っていい？】効果的な掃除方法と注意点を徹底解説

「排水口に熱湯を流せば、つまりもニオイもスッキリ解消できる」
そんな話を聞いて、試してみようと思っている方も多いのではないでしょうか？
しかし実は、熱湯を流すことで排水管が傷んだり、破損したりするリスクがあることをご存知ですか？

特に、家庭で一般的に使われている塩ビ管（塩化ビニル管）は熱に弱く、誤った方法で掃除をすると配管トラブルや漏水につながる可能性があります。

排水管に熱湯は基本NG！素材別に見る注意点とリスク

「排水管の素材によっては、熱湯を流しても大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、家庭用の配管に熱湯は基本的にNGです。
特に日本の住宅で主流の塩ビ管は、高温に非常に弱く、わずかな過熱でも変形・劣化のリスクが高まります。

ここでは、排水管に使われている代表的な素材ごとに、熱湯に対する耐性と注意点をまとめました。
「うちの配管は何でできているのか？」を確認し、安全な掃除法を選ぶための判断材料にしてください。

塩ビ管（一般家庭で最も多い）

塩ビ管（塩化ビニル管）は、日本の一般家庭で最も広く使用されている排水管素材です。
施工のしやすさやコスト面で優れていますが、熱に非常に弱いという特性があります。

そのため、沸騰したお湯（100℃）を直接流すのは絶対に避けるべきです。
そうしても熱湯を使いたい場合は、40〜50℃程度のぬるま湯にしてから、たっぷりの水と一緒に流すことで、リスクを軽減できます。

金属製の排水管（銅管・ステンレス管など）

一部の古い住宅や、業務用施設などでは金属製の排水管（ステンレス・銅など）が使われていることもあります。

見た目では判断しづらいため、築年数が古い建物では熱湯の使用を避けるのが無難です。

古い住宅の排水管は特に注意

築30年以上の住宅では、素材の劣化や施工不良が起きている可能性が高く、熱湯を流す行為は非常にリスキーです。

排水管の掃除やつまり解消のために熱湯を使う方法を試そうと考える方も多いでしょう。

しかし、実は熱湯を流すことには思わぬリスクが潜んでいます。

熱湯を使う前に知っておくべきポイントをしっかり押さえて、安全に排水管のケアを行いましょう。

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熱湯を流すと起こるトラブルとは

排水管のたわみ・変形

高温によって素材が柔らかくなり、重力や水圧で歪むことがあります。

継ぎ目からの水漏れ

パイプの継ぎ目が緩んだり、シール材が劣化し、徐々に漏水する可能性があります。

床下・壁内での見えない損傷

変形やヒビ割れが床下や壁内で起きると、気付かないままカビや腐食が進行することも。

このようなリスクを知らずに繰り返し熱湯を流していると、気付かないうちに深刻なトラブルへ発展することがあります。

熱湯で起きやすい「排水管の劣化・変形」

塩ビ管は長時間にわたって高温にさらされることで、表面のツヤが失われたり、色が白く濁るような劣化が進みます。

こうした変化が始まっている段階でも、すでに強度が落ちており、何らかの衝撃や圧力で割れやすくなっている状態です。

また、内部でゆがみが発生すると、流れが悪くなるだけでなく、汚れが引っかかりやすくなり、つまりが頻発するようになることもあります。

熱湯でつまりが取れるって本当？

キッチンや洗面所の排水管が詰まったとき、熱湯を流せば簡単に解消できるという話を耳にしたことはありませんか？

実際に熱湯でつまりが取れるのか、そのメカニズムや効果の真偽について詳しく解説します。

さらに、熱湯を使う際の注意点や効果的な使い方もあわせてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

油汚れには効果あり。ただし注意点も

結論から言えば、軽度の油汚れによるつまりには熱湯が効果的な場合もあります。
特に、キッチンの排水管で発生しやすい「冷えて固まった油汚れ」は、温度の高いお湯で一時的に溶かすことが可能です。

しかし、ここで注意したいのが「温度」と「量」です。

• 熱湯（100℃）をそのまま流すのはNG（塩ビ管にダメージ）
• 最適なのは 40〜50℃のぬるめのお湯 を使う方法
• 少量ではなく、たっぷりのお湯（5〜10L）を流すことで効果が期待できる

また、固まった油は排水管の奥にへばりついているケースも多く、一時的に流れても再び冷えて固まれば再発してしまいます。

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熱湯だけでは解決できないケースとは

以下のような場合は熱湯だけでの解消は難しく、別の手段やプロの対応が必要になります。

• 髪の毛や食べカスなどの固形物が詰まっている
• 排水管の奥で油が層になって固着している
• 排水管そのものがたわんでいる・劣化している
• 長年掃除されておらず、複数の汚れが堆積している

こうした場合、熱湯を流すだけでは解決せず、かえって汚れを奥に押し込んで悪化させるリスクもあります。

無理に続けるより、早い段階で別の方法を選ぶほうが安全です。

やってはいけない“熱湯＋○○”の危険な組み合わせ

自宅でできる掃除方法の中には、誤った組み合わせで排水管を傷める例も少なくありません。

特に注意したいのが以下のようなケースです。

危険な組み合わせ	理由
熱湯 ＋ 強力な洗浄剤（パイプクリーナーなど）	化学反応によってガスが発生する危険性も。説明書に「熱湯厳禁」と書かれていることが多い。
熱湯 ＋ 漂白剤	発熱・有毒ガス発生のリスクあり。絶対にNG。

特に、市販のパイプ洗浄剤は「冷水かぬるま湯で使用する前提」のものが多く、熱湯と混ぜると危険な化学反応を起こすことがあります。

「パイプユニッシュ」は塩素系洗剤のため、熱湯を流すと成分が急激に分解され、有害なガスが発生する恐れがあります。
そのため、使用時には熱湯を絶対に流さないようご注意ください。熱湯を使う代わりに、洗面器などにためた水を一気に流す方法のほうが効果的です。

引用元：Johnson公式サイト｜パイプユニッシュQ＆Aより

よくある熱湯を流してしまいがちなケース

熱湯は油汚れやつまりを解消するイメージから、つい何気なく流してしまうことがあります。
しかし、前述のように急激な熱湯の使用はシンクや排水管のトラブルにつながるため、以下のようなケースでは特に注意が必要です。

カップ麺の熱湯を捨てるとき

カップ麺の熱湯をそのままシンクに流す方は多いですが、実は注意が必要です。
カップ麺の汁にはデンプン質だけでなく油分も含まれており、これらが排水管内で固まりやすく、つまりや悪臭の原因になることがあります。
また、大量の熱湯を急に流すことでシンクの金属が急激に膨張し、「ボン！」という音が鳴るほか、劣化を早めるリスクもあります。

ゆで汁をそのまま流す場合

パスタや野菜のゆで汁を熱いうちに直接排水口に流すのも要注意。
熱湯の温度で排水管の素材が痛みやすく、さらにゆで汁に含まれるでんぷんや油分が固まるとつまりやすくなります。

油を含む調理後の熱湯

揚げ物や炒め物など、油を使った料理の後に熱湯を流すことがありますが、これは逆効果です。
熱湯で油が固まったり、排水管内で固着すると詰まりや悪臭の原因となります。

冬場に冷え切ったシンクに熱湯を流す

冬場など、冷え切ったシンクや排水管に熱湯を急に流すと、金属が急激に膨張して「ボン！」という音がするだけでなく、劣化の原因にもなります。
ぬるま湯で温めてから熱湯を使うのが望ましいです。

熱湯でシンクが「ボン！」と鳴る原因

シンクに熱湯を流したとき、「ボン！」や「ボコッ」といった音がすることがあります。
これは、シンクや排水管の金属部分が急激な温度変化によって膨張する「熱膨張」が原因です。

金属は熱で膨らみ、冷えると収縮する性質があり、その膨張の衝撃や金属同士の接触音としてこの音が発生します。

「ボン！」音はシンクが壊れているサイン？

この音自体は「金属の自然な反応」であり、すぐにシンクが壊れるわけではありません。
しかしながら、この音が鳴るということは熱湯をそのまま急激に流している証拠であり、非常に注意が必要です。

繰り返し熱湯を急激に流すことで、金属に疲労が蓄積し、シンクや排水管の変形・ひび割れ・劣化を早めるリスクが高まります。

また、接合部や固定金具の緩みがあれば、動くたびに負担がかかり、水漏れや部品の破損につながる恐れがあります。

さらに、劣化が進むと修理費用がかさむこともあるため、無視せずに対策を講じることが大切です。

どうすれば「ボン！」音を防げる？

熱湯は一気に流さず、40〜50℃程度のぬるま湯に温度を下げてから流すことを心がけましょう。

また、一度に大量の熱湯を流すのではなく、少しずつゆっくり流すことが、金属への負担を減らすコツです。

熱湯の温度が下がるまで待てない場合は、蛇口から冷水と同時に流すことで排水管のダメージを軽減させることができます。

実際に起きた「熱湯を流してしまった」体験談

排水管に熱湯を流しても大丈夫だと思っていた——そんな「うっかり」からトラブルが起きた例は少なくありません。

ここでは、実際に寄せられた声をもとに、よくあるケースをご紹介します。

テレビの情報を信じて熱湯掃除→塩ビ管が歪んで水漏れに

「テレビで“熱湯は油汚れを溶かしてくれる”と紹介されていたのを見て、キッチンの排水口に熱湯を流していました。
確かにそのときはスッキリした気がしたのですが、数日後にシンク下の収納が湿っていてびっくり。業者さんに見てもらったら、塩ビ管の継ぎ目が歪んでしまっていて、そこから水漏れしていたんです。
温度を確認せずに流してしまったことを本当に反省しました。」

塩化ビニル管は60℃前後が耐熱の限界。熱湯（90〜100℃）を繰り返し流すと、配管自体が柔らかくなり、接着部が変形・緩むことがあります。

短期間では目に見えなくても、数回の蓄積で歪みが発生するケースが多いです。

夫がカップ麺の熱湯を流そうとしてヒヤリ！

「夫が夜食でカップ麺を作っていたのですが、残った熱湯をそのままシンクに流そうとしていて焦りました。
慌てて蛇口から水を出して温度を下げましたが、本人は“ダメなの？”と全く知らなかったようです。
家の配管は見えないからこそ、日常のちょっとした行動が大きなトラブルにつながることを実感しました。」

塩ビ管に直接流すと一瞬で変形するリスクがあります。

流す際は冷水を同時に出して温度を下げるか、一度鍋に移して冷ましてから捨てるのが安全です。

体験談から分かる「熱湯トラブル」の共通点

こうした体験談に共通するのは、「熱湯が危険だと知らなかった」という点です。
多くの人が「熱湯＝掃除に良い」「汚れを落とす万能手段」と思い込みがちですが、実際には材質の限界を超える温度で配管を傷めてしまうケースがほとんど。
さらに、一度歪んだ配管は元に戻らないため、修理・交換には数万円〜十数万円かかることもあります。

「汚れ落とし」には効果的でも、「配管保護」という観点から見ると、熱湯はリスクの高い選択肢なのです。

つまり解消に熱湯以外でおすすめの方法

排水口のつまりを解消する方法は、熱湯以外にも安全で効果的な方法がいくつかあります。
ここでは、家庭で実践できるおすすめの対処法をご紹介します。

重曹＋クエン酸のナチュラルクリーニング

環境にも配管にも優しい掃除方法として人気なのが、重曹とクエン酸を使った発泡洗浄です。
排水口の軽いつまりやニオイ対策に効果的で、定期的なメンテナンスにもおすすめです。

• 排水口に重曹（約50g）をふりかける
• 続けてクエン酸（またはお酢 約50ml）をかける
• シュワシュワと発泡が始まったら、そのまま10～15分放置
• 最後にぬるま湯（40～50℃）でたっぷり流す

の方法は、油汚れやぬめりを浮かせて落とす効果があります。
ただし、固形物の詰まりや、深い部分のトラブルには効果が出にくいため、早めの判断が重要です。

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ラバーカップや排水管洗浄剤の使い方

ラバーカップ（スッポン）を使う場合

• 排水口に少し水を溜めた状態で使うのがポイント
• 押すより引く動作を意識することで、汚れを引き出すことができます

市販のパイプ洗浄剤を使う場合

熱湯ではなく水またはぬるま湯と併用すること（※取扱説明書を必ず確認）

即効性のある製品もありますが、強力な薬剤は塩ビ管にダメージを与えることもあるため注意が必要です。

使用頻度の目安は月1回程度が理想的。使いすぎると逆効果になる理由は、強力な薬剤が配管内の素材を徐々に侵食し、配管の劣化やひび割れの原因になるためです。

自力で無理なら水道修理業者へ相談を！その理由と選び方

排水管のトラブルを自分で解決しようと試みても、状況によっては手に負えないケースがあります。

そんなときは無理せず、水道修理の専門業者に相談するのが安心です。

放置や自己流はトラブルを悪化させるリスクも

排水の流れが悪いからといって、熱湯や市販の薬剤を使いすぎると、かえって状況が悪化することがあります。
一時的には流れが良くなっても、配管の内側にダメージが蓄積し、数日後に完全に詰まる・漏水するなど深刻なトラブルにつながることも。
「なんとか自分で直そう」と頑張りすぎるよりも、早めにプロへ相談する方が結果的に安く・安全に済むこともあります。

水道業者に依頼するメリットとは？

特に、何度も同じ箇所が詰まる・水が逆流してきたなどのケースは、早急な対応が必要です。

比較サイトを活用して効率よく探そう

「どの業者に相談すればいいかわからない…」という方は、水道修理業者の比較サイトを活用するとスムーズです。

• 地域密着で対応が早い
• 料金体系が明確で見積もりが無料
• 出張費・キャンセル料の有無を事前に確認
• 利用者の口コミ評価や実績
• 水道局指定業者（※信頼性が高い）

排水管に熱湯は使ってもいい？よくある質問≪Q＆A≫

まとめ

排水管に熱湯を流す行為は、軽いつまりや油汚れの解消に役立つ一方で、素材や使い方を誤るとシンクや排水管の劣化を早めるリスクがあります。特に急激な温度変化による金属の膨張が原因で「ボン！」といった音がする場合は注意が必要です。

日常的に熱湯を使う際は、温度を下げてぬるま湯程度に調整し、ゆっくり流すことを心がけましょう。また、市販のパイプクリーナーを使う際は取扱説明書をよく確認し、適切な方法での使用が重要です。

もし、つまりや異臭が改善しなかったり、排水管に不安がある場合は、無理をせず専門の水道修理業者に相談することをおすすめします。