水道管の引き直しって何？費用相場や具体的な作業内容を紹介

水道管の引き直しとは、水道管を交換する際に既存の水道管の流れとは別に水道管を引き直すという作業です。

水道管の耐用年数は40年程度とされているので、古い水道管を使用し続けていると破裂を引き起こす恐れがあります。

そこで必要になるのが、「水道管の引き直し工事」です。

家の全ての水道管の交換が必要な際は、水道管の引き直し作業の方が費用が安く済むケースが多いです。

水道管の引き直し工事とは

水道管の引き直し工事は、既存の配管をそのままにして新たに配管を設置する方法であり、交換工事とは異なる特徴があります。

ここではまず、引き直し工事と交換工事の違いについて詳しく解説します。

引き直し工事と交換工事の違い

水道管の工事には主に「引き直し工事」と「交換工事」の2種類があります。これらは似ているようで実は大きく異なる工事方法です。

交換工事とは？

交換工事は、古くなった水道管をそのまま取り外し、同じルート上に新しい管を取り付ける作業を指します。

古い配管を完全に撤去し、新しい配管に替えるため、壁や床を壊したり修復したりする手間と費用がかかることが多いです。

引き直し工事とは？

一方、引き直し工事は、既存の水道管を撤去するのではなく、そのルートを使わずに新たに別の配管ルートを確保して水道管を新設する方法です。

つまり、古い管の上や隣、外壁沿いなど、これまでとは異なる経路で新しい水道管を引き直します。

既存の水道管ルートを無視して新設する仕組み

引き直し工事では、今まで使われていた水道管の通り道（ルート）を無視し、新たな経路を確保して新しい配管を設置します。

例えば、既存の管が壁の中や床下に通っている場合でも、外壁沿いや床の上など別の場所に新しい管を通すことが多いです。

この方法は、古い配管を撤去する作業が最小限になるため、内装の損傷を避けられ、工事時間も短縮できます。

また、古い管が老朽化していても新しい管を独立して設置するため、漏水リスクを大幅に減らせる点も大きな特徴です。

ただし、新しい配管ルートの確保が必要なため、住宅の構造やスペースによっては工事が難しい場合もあります。

工事を依頼する水道修理業者や専門業者による事前の調査・相談が重要です。専門家が住宅の構造や配管の状況を確認した上で、最適な工事方法を提案します。です。

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水道管の引き直し作業はDIYでできる？

水道管の引き直し工事は、高度な技術と専門的な知識が必要な作業です。

配管の設計、接続部の適切な処理、水圧の調整、漏水防止など、専門業者が慎重に行うべき工程が多く含まれています。

そのため、DIYで行うことは非常に難しく、場合によっては法律や安全基準に違反する可能性もあります。

水道設備に関する工事は、水道局や自治体の許可が必要なことも多く、無資格での作業はトラブルの元になるため避けるべきです。

水道管の引き直し工事をするメリット

水道管の引き直し工事は、古い配管をただ交換するだけでなく、工事の負担を軽減しながら安全で快適な水回り環境を実現するための有効な方法です。

ここでは、引き直し工事ならではの具体的なメリットを詳しくご紹介します。

費用面や工事の手間、生活への影響など、さまざまな視点からその魅力を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

交換工事より安価な場合が多い

水道管の引き直し工事は、既存の管を完全に撤去して同じルートに新しく交換する工事に比べ、工事範囲が限定されることが多いため、費用を抑えやすいのが特徴です。

壁や床を大きく壊す必要がなく、修復費用や作業時間も短縮できるため、トータルコストが安くなるケースが多いです。

漏水調査費用が不要（漏水箇所を特定しないため）

引き直し工事では、古い配管を残したまま新しい配管を別のルートに引き直すため、漏水している箇所を特定するための詳細な漏水調査が不要になる場合があります。

漏水調査には専門機器や時間がかかるため、この費用がかからないのは大きなメリットです。

内装を傷つけずに工事可能（床・壁を壊さない）

交換工事の場合、既存の配管が壁や床の中に埋まっていることが多いため、その部分を切り開いて配管を交換しなければなりません。

これにより内装の補修費用や工事期間が長くなる原因となります。

一方で引き直し工事は、外壁沿いや床下の別のルートを利用して新しい配管を設置するため、壁や床を壊す必要がほとんどありません。

その結果、工事中の生活への影響を抑え、内装の損傷を防げるという大きなメリットがあります。

すべて新しい管になるため老朽化の不安解消

引き直し工事で設置される配管は、すべて新品の材料が使用されます。

古くなった配管は、錆びや腐食、内部の劣化によって水質の悪化や漏水のリスクが高まりますが、新しい配管に替えることでこうしたトラブルを未然に防げます。

特に築年数の長い住宅では、老朽化した配管によるトラブルが起きやすいため、新しい配管に引き直すことで安心して長期間使用できるようになります。

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蛇口の位置変更や新設と同時に対応可能

引き直し工事は、既存の配管ルートに縛られずに新しい配管経路を自由に設定できるため、蛇口の位置を変えたい場合や新たに蛇口を追加したい場合にも柔軟に対応できます。

例えば、キッチンや洗面所の蛇口を使いやすい場所に移動したり、新しく外に水栓を設置したりすることも可能です。

これにより、水回りの使い勝手を大幅に改善できるのも引き直し工事の魅力の一つです。

水道管の引き直し工事のデメリット

水道管の引き直し工事には多くのメリットがありますが、一方で注意しておきたいデメリットも存在します。

ここでは、引き直し工事を検討する際に知っておきたい主なデメリットについて解説します。

一部修理より費用は高くなる傾向がある

水道管の引き直し工事は、古い配管をそのまま残しながら新しい管を新設するため、部分的な修理に比べると工事範囲が広く、費用が高くなる傾向があります。

たとえば、小さな漏水箇所だけを修理する場合と比べると、使用する材料や作業時間が増えるため、初期費用は多くかかることが一般的です。

しかし、引き直し工事は長期的に見れば老朽化の問題を根本的に解決し、将来的なトラブルを減らせるため、結果的にメンテナンス費用の節約につながる場合もあります。

外壁に配管するため見た目が気になる場合もある

引き直し工事では、新しい配管を既存の配管ルートとは異なる経路に設置するため、多くの場合、外壁や外部に配管が露出します。

これにより、建物の外観を気にされる方にとっては見た目が気になることがあります。

特にデザイン性を重視する住宅や、景観を損ねたくない場合は、この点がデメリットになることもあります。

ただし、配管カバーや塗装などで見た目を目立たなくする工夫も可能ですので、業者と相談しながら対応することができます。

引き直し工事を検討すべきタイミング・推奨ケース

水道管の引き直しは、どのタイミングでおこなうべきか迷われる方も多いでしょう。

ここからは、タイミングや推奨されるケースについて解説します。

主なケースは、上記5つです。

順番に解説しますので参考にしてください。

水道管の耐用年数を超過している場合

一般的に、水道管の耐用年数は約20〜30年と言われています。

築年数が長い住宅や、設置後に一度も配管を交換していない場合は、老朽化によるトラブルのリスクが高まります。

錆や腐食、劣化による漏水や水質悪化が起き始めたら、引き直し工事を検討するタイミングです。

50年以上使用している水道管は特に危険

50年以上使用している水道管は特に危険です。

耐用年数を10年以上過ぎていることになるので、漏水が起きやすい状態になります。

地震が起きた際に、水道管が破損しやすくなっています。

水道管の引き直しや交換をおこなう必要があります。

引き直しを行いたい場合は、水道修理業者に相談してみるといいでしょう。

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水質や水の出方に違和感がある場合

水道の水に異臭がする、赤茶色の錆が混じる、濁りがあるなど、水質に明らかな変化を感じたら配管の劣化が疑われます。

また、水の出が悪くなったり、水圧が不安定になったりする場合も配管の問題が考えられます。

こうした異常を感じたら早めに専門業者に相談し、必要に応じて引き直し工事を検討しましょう。

過去に漏水トラブルが頻発している場合

過去数年の間に何度も漏水トラブルが起きている場合、部分修理を繰り返すよりも、根本的に水道管全体を新しくする引き直し工事のほうが結果的に費用や手間を抑えられることが多いです。

繰り返す漏水は配管の老朽化や構造的な問題のサインです。

漏水調査をしても箇所特定できない場合

漏水が疑われるものの、漏水調査を行っても具体的な箇所が特定できないケースもあります。

特に配管が壁や床の中に埋まっている場合、調査が難航することが多いです。

この場合、引き直し工事によって新しい配管を敷設し、トラブルの根本解決を目指すのが有効です。

修理が困難な箇所がある場合

一部の配管が狭いスペースや構造的にアクセスしにくい場所にあると、部分修理が困難になることがあります。

このようなケースでは、問題の箇所だけを修理するよりも引き直し工事で全体の配管を新設するほうが安全かつ確実です。

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老朽化・不具合がある水道管を放置するリスク

住宅の水道管は、時間の経過とともに劣化し、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

これらの不具合を放置してしまうと、見た目や使い勝手の問題だけでなく、健康や建物の安全性にも深刻な影響を及ぼしかねません。

以下で具体的なリスクを詳しくご説明します。

蛇口から錆などの異物が出てくる

水道管内部の腐食が進行すると、錆や汚れが水に混じり、蛇口から赤茶色や黒っぽい水が出ることがあります。

これらの異物は見た目だけでなく、飲用や料理に使用する水の安全性にも影響します。

特に小さな子どもや高齢者がいる家庭では、健康リスクが懸念されるため注意が必要です。

目に見えない水漏れによる水道料金の増加

劣化した配管には、ピンホールと呼ばれる非常に小さな穴ができることがあります。

これにより、水が少しずつ漏れ続けると、気づかないうちに大量の水が無駄に流れ続けるため、水道料金が予想以上に高額になることがあります。

ピンホールの発生とその影響

ピンホールは配管の腐食が進んだ結果生じる微細な穴で、そこから漏水が発生します。

初期段階では漏れ量が少ないため見過ごされがちですが、時間の経過とともに穴が広がり漏水量が増加します。

放置すると、床下や壁内の構造材が水にさらされ、腐食やカビの発生、さらにはシロアリ被害のリスクも高まります。

建物の基礎や地盤への影響

水漏れが続くことで、漏れた水が建物の基礎部分や地盤に浸透します。

これにより基礎のコンクリートが劣化したり、地盤が緩んだりして、建物の耐震性や安定性が損なわれる恐れがあります。

特に地震の多い日本では、基礎の健全性は非常に重要な問題です。早期に問題を解決しないと、大規模な修復工事が必要になるケースもあります。

腐食が進むと部分修理が難しくなる

配管の腐食や劣化が深刻な場合、部分的な修理や交換が困難になり、配管全体の引き直しが必要になることがあります。

部分修理で済ませられるうちは費用や工事期間も抑えられますが、腐食が広範囲に及ぶと費用も高額になり、生活への影響も大きくなります。

実際の体験談から学ぶ：水道管引き直し工事のリアルな声

長年の使用による水道管の劣化や繰り返す漏水トラブルは、多くの住宅で避けられない問題です。

ここでは、実際に水道管の引き直し工事を経験された方々のリアルな体験談を紹介します。

工事を決断した理由や、工事後の変化、費用面の感想など、具体的な声から引き直し工事のメリットや注意点を学びましょう。

体験談1：「費用を抑えて実家の老朽配管を安全にリニューアル」

築40年以上の実家で漏水が起きたため業者に依頼しました。見積もりを受けて説明を聞いた結果、水道管の引き直し作業を行うことに決めました。費用を抑えるために仕方なく管がむき出しの状態になっていますが、それもやむを得ないと理解しています。

古い住宅では配管の劣化が進み、漏水リスクが高まります。外壁に配管を引き直す方法は、内装を傷つけず工事ができるメリットがあります。

費用を抑えつつ、安全性を確保したい方には適した選択肢と言えるでしょう。

体験談2：「まとめて依頼してコストダウン！水道管全引き直しの効果」

水道管の老朽化が気になり、業者に相談しました。結果、家の水道管すべてを引き直すことになりましたが、まとめて依頼したことでかなり安く施工してもらえたと思います。

部分的な修理を繰り返すよりも、一括して引き直し工事を依頼することで、費用面でのメリットが生まれます。

また、将来的なトラブルも減らせるため、長期的に安心して住み続けられます。

体験談3：「頻発する水漏れに終止符。長期的に見た賢い選択」

築年数の経った戸建てに住んでいますが、ここ数年水漏れトラブルが続いていたため思い切って引き直し工事を依頼しました。頻繁な修理依頼よりも長い目で見ればコスパが良いと判断し、後悔はありません。

何度も修理を繰り返すより、根本的に水道管を新しくするほうが安心です。

工事費用はかかりますが、長い目で見れば修理費用の節約につながり、快適な生活環境が手に入ります。

引き直し工事の作業手順・費用相場と水道修理業者の選び方

水道管の引き直し工事は、住宅の水回りを根本から改善する重要な工事です。工事の流れや費用の目安を理解するとともに、信頼できる水道修理業者を選ぶポイントも押さえておきましょう。

引き直し工事の作業手順

引き直し工事の費用相場

引き直し工事の費用は、住宅の規模や配管の数、使用する材料、工事の難易度によって変わりますが、一般的には以下の範囲が目安です。

戸建て住宅の場合

約30万円〜80万円が相場。単純な配管数が多かったり、難しい工事条件があると高額になります。

マンションやアパートの場合

共用配管や構造の制約により、戸建てより高額になったり、工事が制限されることがあります。見積もりは個別に取得する必要があります。

部分的な引き直し工事

一部の配管だけを新設する場合は10万円台から工事可能なケースもあります。

費用を左右する主なポイントは、配管の本数や長さ、配管経路の複雑さ、使用する材料の種類、既存配管の撤去が必要かどうかです。

水道管の引き直し工事の費用を抑える方法

水道管の引き直し工事は住宅の安全性や快適性を高める重要な工事ですが、決して安い費用ではありません。

できるだけ無駄なコストを抑えて、賢く工事を進めるためのポイントを解説します。

まとめて工事を依頼して費用を削減する

蛇口の位置変更や新設など、他の水回りの工事と同時に引き直し工事を行うと、工事全体の効率が上がり、トータルでの費用削減につながることがあります。

複数の工事を一括で依頼すると、業者によっては割引サービスがある場合もあります。

補助金や助成金の活用を検討する

自治体によっては、水回りのリフォームや老朽化対策に対する補助金や助成金制度を設けている場合があります。

安心して依頼できる水道修理業者の選び方

水道局指定工事店かどうかを確認する

水道局指定工事店は、技術力や法令遵守の基準をクリアした信頼できる業者です。

指定店であることは安全・安心の証なので、必ず確認しましょう。

実績や運営年数が豊富な業者を選ぶ

長年の経験や多数の施工実績がある業者は、トラブルにも迅速に対応できる能力があります。

公式サイトや口コミで情報を調べることが有効です。

アフターサポートの内容をチェックする

工事後の保証やトラブル対応が充実しているかを必ず確認してください。

保証期間が明確で、追加費用なしのサポートを行っている業者が望ましいです。

複数の業者から見積もりを取り比較する

一社だけで決めず、少なくとも2〜3社から見積もりをもらい、価格や提案内容、対応の丁寧さを比較しましょう。

見積もりの内訳が細かく記載されているかもポイントです。

口コミや評判も参考にする

実際に工事を依頼した人の評価は非常に参考になります。インターネットの口コミサイトや知人の紹介など、複数の情報源から総合的に判断しましょう。

水道管の引き直しに関してよくあるQ＆A

まとめ

この記事では、水道管の引き直し工事について解説しました。

水道管の寿命は、30〜40年と言われています。

寿命を超えて使用している水道管は、破損しやすく大変危険な状態です。