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排水口トラップについて詳しく知っている方は少ないでしょう。ですが排水設備において排水トラップはとても重要な役割があり、掃除などのメンテナンスを怠ると「排水つまり」や「異臭トラブル」に発展してしまいます。
本記事では「排水口トラップの役割や種類」「排水口トラップの掃除方法」について解説していきます。またつまりが起きてしまった際の対処法についても併せて紹介します。
排水口トラップは、台所やバスルームといった家庭の水まわりに設置されている重要な部品です。
いやな臭いや害虫が下水道から逆流してくるのを防ぎ、また、異物が排水口に詰まるのを阻止する役割を果たしています。
ここでは、排水トラップの役割と構造についてくわしく見ていきましょう。
排水トラップは、排水口とその下の排水管をつなぐ部分につけられています。
排水口のフタをとると網目状のゴミ受けがあり、それを外すと見えるのが排水トラップです。
家庭内の水まわりには基本的に設置されており、形状によっていくつかのタイプに分かれます。
排水トラップの中は、封水(ふうすい)と呼ばれる水がたまる仕組みです。
排水口から流れた水は、ゴミ受けを通って排水トラップへ流れ込みます。たまっていた古い水は押し出されて、排水管へと流れていきます。
この循環によって、封水はきれいな状態に保たれるのです。
排水トラップの主な役割は次のとおりです。
まず、下水道から排水管を通って悪臭や害虫が上がってこないよう、阻止する役割を持っています。
反対に、排水口から大きなゴミや異物が排水管や下水道まで流れていかないよう受け止める役割も果たします。これにより、排水管や下水道のつまりを防ぐのです。
これらの理由から、家庭内の排水口には必ず排水トラップがセットになっています。
排水口トラップの種類は、大きく分けて以下の7種類があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ワントラップは、排水管にお椀型のパーツを逆さにセットした構造です。
ワントラップの「ワン」=お椀からきています。
排水管に差し込まれた円筒状のパーツと、お椀部分の隙間に封水が溜まります。
キッチン・お風呂場・洗面所でよく使われるタイプで、取り付けやメンテナンスが簡単というメリットがあります。
逆ワントラップは、逆さまのU字型の構造を持つ排水トラップです。
U字型の形状は逆流を防ぎつつ、水がスムーズに流れやすくなっています。
洗濯機の排水を受ける洗濯パンでよく見られるタイプです。
ドラムトラップは円筒(ドラム)状の部分に、汚水が流れてくる部分と流れていく部分それぞれの管がついた構造です。
多くの水を貯めておけるため水が蒸発しにくく、排水管の空気の逆流を起こしづらいのが特徴。
ただし、内部の掃除がしづらいのがデメリットです。
ボトルトラップは、封水がたまった器にボトル状の装置がが挿さった構造です。
この構造は逆流を効果的に防ぎ、同時に異物がたまりにくい特長があります。
キッチンやお風呂場で広く使用されるタイプです。
Pトラップは、排水管と排水口を曲げて直接接続し、水がトラップ内にたまるように設計された管トラップの一種。
その名の通り、アルファベットPの形状を持つ排水トラップです。
水は上から流れてきて、横向きに流れていきます。曲線部分に封水がたまる構造で、洗面所やトイレでよく使われます。
古い建物に多く、お風呂を使うたびに自然に水が流れるためつまりにくいものの、封水量が少なく水が蒸発しやすい点がデメリットです。
SトラップもPトラップ同様、管トラップの一種。アルファベットSの形状をしています。
水は上から流れてきて、S字に曲がった排水管を通り、下向きに流れる構造です。
Pトラップ同様、曲線部分に封水がたまるようになっており、洗面所やトイレでよく使われます。
主に洗濯機で多く見られるタイプです。
Uトラップは、U字型の排水管の曲線部分に水をためる構造です。
水は横向きに流れてきて、また横向きに流れていきます。
他のタイプと比べてつまりやすく、構造上やむを得ない場合のみ使われるトラップです。
排水トラップで起きる悪臭はさまざまです。
ここでは、排水口トラップで悪臭が起きた時に考えられる原因についてくわしく解説します。
排水トラップの主な機能は、封水を保つことです。
使用頻度の減少や水漏れなどによって封水が切れると、下水道からの悪臭が室内に上がってくることがあります。
特に旅行などで家を空けると、トイレやお風呂場に長期間水が流れなくなり、封水切れが起きやすいといえます。
特に気温や湿度の変動が激しい季節・環境下でこの現象が起こりやすいでしょう。
使用頻度の低い排水口は、こまめに封水を補充することが重要です。また、形状によっては封水が乾燥しやすいタイプもあるため注意しましょう。
排水トラップが壊れていると封水が保たれず、下水の悪臭が室内に漏れる可能性があります。
排水トラップの破損は、使用中の物理的なダメージや経年劣化が主な原因です。
ドブくさい臭いがするが封水切れではない場合、排水トラップが破損していないか点検してみましょう。
排水トラップが他の水源と繋がっている場合、水が流れることで自動的に封水が失われることがあります。これを自己サイフォン作用と呼びます。
特にトイレなどの排水口が密集している場合に発生しやすく、封水量が減ることが悪臭の原因です。
自己サイフォン作用防止のためには、水をゆっくり流すようにするといいでしょう。
排水管が別の排水管と繋がっている場合、一方の排水管内の水がもう一方の排水管へ吸い込まれる吸い込み作用が起きます。
例えば、トイレやお風呂の排水管は排水立管へつながっていることから、吸い込み作用が起きやすい場所です。
吸い込み作用で封水が一緒に流れてしまうことが、悪臭の原因です。
自己サイフォン作用同様、水をゆっくり流すことで予防できます。
毛細管現象の影響でも悪臭が発生します。
毛細管現象とは、表面張力で水が吸い上げられる状態のことです。
例えば石鹸カスに髪の毛が付着し、塊が大きくなった状態で封水が引っ張られ、排水トラップを抜けて流れていってしまうと、封水量が減少して臭いを発します。
髪の毛はパイプクリーナーで溶かせるため、定期的な掃除で毛細管現象の予防が可能です。
また、ネットやヘアキャッチャーを利用すると髪の毛の流れ込みをある程度防げるでしょう。
排水トラップはその役割上、さまざまなつまりトラブルを起こしやすい装置です。
ここでは以下の3つのトラブルについて見ていきましょう。
排水口に流れ込むゴミや食材カスが、排水トラップ内でつまりを引き起こすことがあります。
特に食器洗いや調理の際に大量の食材カスが排水口に流れ込むと、排水トラップ内で固まって水の流れを妨げる原因となりやすいでしょう。
キッチンの排水口では、油脂が排水トラップ内で冷え固まることがあります。
この油の固着が排水管を覆うと、水の通り道を狭め、最終的にはつまりを引き起こしてしまいます。
調理油や油っこい食材を多く調理している場合は注意が必要です。
大きな異物や固形物で、排水トラップが詰まることもあります。
例えば、洗面台や浴室の排水口は髪の毛や石鹸カスがたまりやすく、これが排水トラップを詰まらせる原因となります。
また、トイレの排水口もトイレットペーパーや排泄物由来のつまりが発生しやすい場所です。
排水口や排水トラップの異臭を除去するための清掃方法は、場所によって異なります。
ここでは、以下の3つの箇所の排水口・排水トラップの掃除方法について見ていきましょう。
キッチンではワントラップが多く使われます。
キッチンは食べカスや油汚れが排水口に流れていきやすく、掃除を怠ると汚れが大きな塊となってつまりを起こしやすい場所です。
排水トラップはパーツごとに分解できるため、分解してからそれぞれのパーツの掃除を行いましょう。
ワントラップの場合の掃除方法は次のとおりです。
パーツの汚れが落ちにくい場合は、洗剤や漂白剤に30分程度漬け置きしてもいいでしょう。
洗面所ではS字・P字・U字のトラップが多く使われます。
外から取り外しやすい形状ですが、髪の毛や皮脂アカがつきやすく、詰まりを起こしやすい場所でもあります。
S字・P字・U字部分の下にフタつきの清掃口があれば、取り外して掃除が可能です。
手順は次のとおりです。
お風呂場ではワントラップやドラムトラップが多く使われます。
お風呂場は髪の毛や石けんカス、皮脂汚れによるぬめりや、シャンプーなどの油汚れと混ざりあってつまりが起きやすい場所です。
ワントラップの場合は、キッチンの掃除方法を参照してください。
ドラムトラップの場合、構造上内部まで掃除するのは困難です。
ブラシが届く範囲まで掃除したあと、必要に応じてパイプクリーナーなどを使用しましょう。
排水口や排水トラップのつまりは、自分で効果的に除去できる方法がいくつかあります。
以下の3つについて見ていきましょう。
ラバーカップは主にトイレ掃除で使われる道具で、すっぽんとも呼ばれます。
トイレだけでなく、家庭内のさまざまな場所のつまり除去に使用可能です。
ラバーカップの使い方は次のとおりです。
ワイヤーブラシは、長いワイヤーの先端にブラシがついた道具です。
使い方は次のとおりです。
つまりの原因物がはっきりしている場合、手が届きにくい場所に直接アクセスできるため便利です。
ただし、力を入れすぎると排水管を傷つける恐れがあります。作業は慎重に行いましょう。
油や髪の毛・食材カスが固着している場合は、液体パイプクリーナーが有効です。
パイプユニッシュなどの薬剤が、ドラッグストアやホームセンターで市販されています。
ただし、固形物のつまりには使えないため注意しましょう。
使用方法は以下の通りです。
トラブルに自分で対処する際は、以下の注意点を守ることが重要です。
安全かつ効果的な対処を心がけましょう。
排水口や排水トラップで、目に見える場所は限られています。
手が届かない奥のほうまで素人が無理をして手を出すと、排水トラップや排水管を傷つけてしまう恐れも。
汚れや詰まりが奥のほうにある場合は無理をせず、ワイヤーブラシやパイプクリーナーを使うか、水道業者に依頼するようにしましょう。
掃除を行う際、誤って排水口に物を落とさないよう注意が必要です。
アクセサリーや歯ブラシなどの固形物を落とすと、詰まりの原因になるのはもちろん、排水トラップを損傷させてしまう可能性もあります。
これらの固形物は奥まで流れると取り出すことが難しく、パイプクリーナーなどでは対処できません。
不要なものはまわりに置かず、十分注意を払いながら作業するようにしましょう。
液体パイプクリーナーや他の薬剤を使用する場合は、必ず指示書や注意書きに従って正確に使用してください。
指示以上の時間を置くと排水トラップを傷めたり、他の薬剤と混ぜると有害ガスが発生したりする可能性もあります。
自分で対処しても効果が得られなかった場合や、つまり・悪臭が重度で解決できなかった場合は、水道業者に相談するのがおすすめです。
費用はかかりますが、専門業者であればスピーディーかつ確実な対処が望めるでしょう。
水道業者に排水トラップのトラブルを依頼した場合の、費用相場一覧は次のとおりです。
作業内容 | 費用 |
---|---|
排水トラップの異臭除去 | 3,000円〜10,000円 |
排水トラップのつまり除去 | 10,000円〜30,000円 |
排水トラップの交換 | 10,000円〜30,000円 |
それぞれくわしく見ていきましょう。
排水トラップの異臭除去の費用は、3,000円〜10,000円が目安です。
費用は異臭の原因や作業の難易度によって変動します。
排水口まわりの簡単な掃除のみであれば、10,000円以内におさまることが多いでしょう。
排水トラップのつまり除去の費用は、10,000円〜30,000円が目安です。
つまりの深さや原因、使用する道具によっても費用は変動します。
つまり除去にはローポンプやトーラー、重度の場合は高圧洗浄機などが使われます。
排水トラップの交換を行う場合、10,000円〜30,000円ほどが目安です。
新しい排水トラップの本体代金が5,000円〜10,000円ほどかかり、ほかに作業費用・出張料金が上乗せされます。
排水トラップのタイプや形状によって難易度が変わり、それが費用にも影響するといえます。
排水口や排水トラップのトラブル防止のため、以下の方法を実践しましょう。
排水口のゴミ受けには、ネット(ヘアキャッチャー)を取り付けるのがおすすめです。
食材カスや髪の毛などの異物が排水トラップに流れ込むのを防ぎ、つまりの発生を軽減できます。台所・洗面所・お風呂場でよく使われます。
かぽっとかぶせるネットタイプのほか、フタにつけるシールタイプやカバータイプも市販されています。
100円均一やスーパー、ドラッグストアで購入できるため、毎日交換して清潔を保ちましょう。
定期的な掃除は、排水口や排水トラップの清潔を保つために重要です。
特に食材のカスや髪の毛がたまりやすい場所は、こまめに清掃を行いましょう。
キッチンやお風呂場は、毎日使用後にネットを交換し、週に一度はパーツを外してこすり洗いを行います。
ある程度の量の水を流すことで封水も入れ替わり、悪臭予防に効果的です。
排水口や排水トラップの掃除同様、週に一度は市販の薬剤で洗浄を行いましょう。
手の届きにくい排水管は、パイプクリーナーなどの薬剤を利用するのがおすすめ。
今ある汚れを落とせるだけでなく、汚れが塊や詰まりになる前に予防する効果も期待できます。
放置時間や使えない素材に注意し、使用方法をしっかり守りましょう。
洗顔や水仕事の際には、小物や髪の毛が排水口に流れ込むのを防ぐため、小物を近くに置かないようにしましょう。
特に洗面台まわりや台所シンクでは注意が必要です。
アクセサリーやヘアゴムなどは場所を決めておき、置きっぱなしで放置しないようにしてください。
排水口トラップは家庭内の排水口に必ずついており、悪臭やつまり防止に重要な役割を果たしている装置です。
大きく7種類に分けられ、それぞれ適した箇所に使用されます。
排水トラップで起きる悪臭の原因には、封水切れによる下水の臭い・排水トラップの破損・自己サイフォン作用や吸い込み作用による影響が考えられます。
排水トラップはつまりが起きやすい場所のため、定期的かつ適切な掃除が重要です。自分でも対処可能ですが、つまりが解消できない場合は水道業者に依頼すると安心です。
こまめな掃除やネットの交換を行い、排水トラップの清潔を保って正しく利用できるよう心がけましょう。