洗濯機の防水パンに水がたまる原因と対処法｜自分で解消できるケースと業者を呼ぶ目安

洗濯が終わって洗濯機の下を見ると、「防水パンに水が残っている…」
そんな状況に気づくと、少し不安になりますよね。

こうした疑問を抱くのは自然なことです。
実際、防水パンに水がたまる原因にはいくつかのパターンがありますが、多くは専門業者を呼ばなくても、自分で改善できるケースが多数あります。

ただし、原因を誤ると階下漏水や床材の腐食、洗濯機の故障につながる場合もあるため、早めにチェックすることがとても大切です。

洗濯機の防水パンに水がたまるのはなぜ？よくある原因5つ

防水パンに水が残る原因は、大きく分けると以下の5つです。

ここでは、ひとつずつ丁寧にわかりやすく解説します。

原因① 排水口のつまり（汚れ・髪の毛・スライム状の付着物）

防水パンに水がたまる原因として、最も頻繁に起こるのが 排水口のつまり です。

排水口の内部には「排水トラップ」と呼ばれる装置があります。
ここに、次のような汚れが少しずつ溜まっていきます。

これらが積み重なると、排水の通り道が細くなり、水がスムーズに流れず、結果的に防水パンに逆流してしまいます。

とくに次のような症状が出ている場合は、排水口のつまりを疑いましょう。

つまりが軽い段階なら掃除で改善できますが、長期間放置すると、排水トラップ全体に汚れが充満し、水がほとんど流れない状態になることもあります。

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原因② 排水ホースの曲がり・押しつぶれ・抜けかけ

排水ホースに問題があると、水が排水口へうまく流れません。

よくあるケースは以下の通りです。

ホースが曲がっていたり押しつぶされたりしていると、排水スピードが極端に落ちるため、洗濯機から流れ出る水量に追いつかず、防水パンへ溢れ出してしまう のです。

また、ホースが排水口から少し抜けていると、排水時に水が横から漏れ、防水パンに流れ込むこともあります。

こちらも、目視チェックだけで原因を特定できるケースが多いです。

原因③ 防水パンの傾き・老朽化・排水口周りの破損

防水パン自体に問題があるケースも、意外と見落としがちです。

以下のような状態は、水はけが悪くなる原因となります。

原因④ 洗濯機内部の排水不良（排水ポンプの劣化）

排水口・ホース・防水パンに問題がないのに水がたまる場合、洗濯機本体の排水機能の低下 が疑われます。

とくに、洗濯機の寿命である 7〜10年 に近い場合、内部の排水ポンプが弱ってきて、排水能力が落ちている可能性があります。

次のような症状が出ていないか確認してみてください。

原因⑤ 一時的な水量オーバーや逆流現象

排水口がほんの少し詰まっている状態で、大量の水が一気に流れると 逆流 が起きることがあります。

一時的な逆流でも、防水パンにしっかり水が残ることがあります。

この場合、排水口のつまりは軽度のことが多く、掃除をすれば改善しやすいタイプのトラブルです。

防水パンに水がたまったときに「まず試すべき応急処置」

防水パンに水が残っているのを発見したら、焦らず落ち着いて、次の3つを順に試してください。
このステップを踏むだけで、原因がかなり絞り込めます。

① 洗濯機の電源を切り、2〜3時間そのまま置く（自然排水の確認）

「えっ？ 放置でいいの？」と思うかもしれませんが、実はとても効果的な確認方法です。

軽いつまりや一時的な逆流の場合、時間をおくと排水口に残った水がゆっくりと抜けていくことがあります。

② 排水ホースが「折れていないか・潰れていないか・抜けていないか」を確認

次に確認したいのが排水ホースです。これは初心者でもすぐチェックできます。

たったこれだけで、原因が判明して改善するケースが多いです。

とくに 引っ越し後・洗濯機を動かした直後 は、ホースの位置ズレが非常に多いトラブルです。

③ 排水口まわりに目立つゴミがないか確認（触れる範囲でOK）

排水口の奥まで触る必要はありません。目視で分かる範囲を確認するだけで十分です。

ここまでの応急処置で原因がわかることも多く、この時点で「水が流れた！」というケースもあります。

防水パンに水がたまるのを放置するとどうなる？

防水パンに溜まる水は、一見「少しだけ」「たまたまかな」と見過ごされがちです。
しかし、実は 放置してしまうと被害がどんどん大きくなる代表的なトラブル のひとつ。

ここでは、ユーザーが気づきにくい“放置によるリスク”を整理し、「早めの対処がいかに大切か」をイメージしやすいよう解説します。

① カビ・悪臭の発生で部屋全体に影響が広がる

防水パンにたまった水は時間が経つと、

を引き起こします。

とくに洗濯機まわりは通気性が悪いため、カビが湿気と熱によって一気に広がりやすく、洗濯物や部屋の空気にまで影響が及ぶ こともあります。

② 洗濯機の不調へと発展する（排水エラー・停止）

排水口やホースに水が逆流する状態が続くと、洗濯機は排水しようとしても抵抗を受け、負担が増します。

その蓄積によって、

といった 本体トラブル が発生しやすくなります。

③ 漏水被害で“階下トラブル”につながる恐れも

防水パンに水がたまるトラブルの中で、もっとも深刻なのが 漏水による階下への影響 です。

水位が上がってあふれてしまうと、

という非常に大きなトラブルにつながる可能性があります。

集合住宅では、管理会社や隣人を巻き込むケース も珍しくありません。

「少し水がたまっているだけだから…」と様子を見ているあいだに、後戻りできない被害になってしまうことがあるため、防水パンの水たまりは“早期対処”が鉄則です。

④ 掃除だけでは直らない状態に進行する

防水パンの水たまりを長期間放置すると、汚れが固まり、簡単な掃除では取れなくなります。

とくに排水口の奥やトラップ内部では、

といった状態になり、
市販の薬剤では太刀打ちできなくなることもあります。

こうなると、分解清掃や専門機材での洗浄が必要 となり、依頼費用も高くなりがちです。

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自分でできる対処法（難易度別）｜初心者でもOKな手順を解説

防水パンに水がたまる原因の多くは、排水口と排水ホースの汚れ に関連しています。
そのため、丁寧に掃除することで改善するケースが非常に多いのが特徴です。

ここでは、対応しやすい順に紹介します。

【難易度★☆☆】排水ホースの位置を直す・挿し込み直す

応急処置でズレを確認したら、次は正しい位置に直します。

【難易度★★☆】排水口のカバーを外して簡易的に掃除する

初心者が安全にできるのは「表面の清掃」です。奥の分解は無理に行わなくて大丈夫です。

排水口(表面部分)の掃除手順

洗濯機本体の故障サイン｜排水口ではなく“本体側”が原因のことも

防水パンに水がたまると、多くの人は「排水口が詰まったのかな？」と思いがちですが、
実は 洗濯機本体の不調 が原因のケースも少なくありません。

ここでは、ユーザーが見落としやすい「洗濯機の故障サイン」を丁寧に解説します。

① 排水エラーが繰り返し出る

洗濯機にはエラー表示機能があり、排水不良の際は

などのコードが表示されることがあります。

一時的なものであれば問題ありませんが、毎回出る・電源を切っても直らない・最近頻度が増えてきたといった症状がある場合は、洗濯機内部の排水ポンプやセンサーに異常がある可能性が高いです。

② 排水のタイミングだけ“いつもと違う音”がする

排水時に次のような音がしていませんか？

普段より大きく聞こえたり、振動が強い場合は、内部の排水ポンプに汚れが溜まっていたり、モーターが弱ってきているサインです。

これは放置すると 完全停止 することもあるため要注意です。

③ 洗濯終了後も槽の底に水が残っている

正常であれば、洗濯終了後の槽はほぼ空です。もし底に水が残ったままの場合は、

が起きている可能性が考えられます。

防水パンに水が溜まり始めたタイミングと重なりやすいため、見落とさないようにしましょう。

④ 排水ホース内部に“汚れが逆流した跡”がある

洗濯機の裏側にある排水ホースは、普段あまり目にする機会がありません。
しかし、防水パンに水がたまるトラブルが起きているときは、このホース内部の状態がヒントになることがよくあります。

排水ホースを軽く持ち上げてみたり、外側から透明部分をのぞいてみて、

といった症状が見られる場合、排水口に水が流れ切らず、ホース内に汚れが逆流しているサイン です。

業者に依頼すべきケースと費用相場

洗濯機の防水パンに水がたまる原因は、自分で改善できることも多いですが、一定のラインを超えると“プロの分解洗浄や診断”が必要になります。

ここでは、どんな状況なら業者に依頼すべきか、費用相場、プロの施工内容までまとめて解説します。

何度掃除してもすぐ再発する場合

軽度の汚れであれば、排水口のフタを外して掃除するだけで改善します。
しかし、

こうした場合は、排水トラップ内部に汚れが固着している可能性が非常に高いです。

トラップの内部構造は狭く複雑で、家庭用ブラシでは取り切れない“詰まりの核”が残りがちです。
そのため、何度掃除しても症状が戻り、再発を繰り返す悪循環に陥ります。

マンション特有の“外せないトラップ構造”の場合

マンションでは、次のような排水構造が多く見られます。

こうした構造は住戸によって異なるため、素人の判断で外すのは危険です。
勘違いして回してしまい、継ぎ目が割れると高額な修繕費につながることも…。

洗濯機本体の故障が疑われる場合

排水口以外に原因があるケースも少なくありません。

これらは、洗濯機内部の排水ポンプの不調、センサーエラーなどが関係していることがあります。

水道修理業者であれば、「排水口側の問題なのか、洗濯機本体側なのか」を切り分けて診断できるため、無駄な修理や買い替えを防ぐことができます。

プロが行う主な作業内容（排水トラップ分解洗浄を含む）

水回りのプロが行う作業は、家庭の掃除ではカバーしきれない範囲まで及びます。

特に、“排水トラップの分解洗浄”は根本改善につながる重要な作業です。

費用相場一覧

洗濯機の排水トラブルは、原因によって費用が大きく変わります。
以下は一般的な相場の目安です。

ただしあくまで相場の目安であり、構造・症状・地域で上下します。

作業内容	費用目安
排水口まわりの基本清掃	5,000〜10,000円
排水トラップ分解洗浄	10,000〜18,000円
排水ホースの交換・調整	3,000〜12,000円
洗濯機側の排水不良調査	6,000〜12,000円
排水ポンプ交換（本体）	12,000〜20,000円

失敗しない水道修理業者の選び方

洗濯機まわりの排水トラブルは原因の特定が難しいこともあり、どの業者に頼むかで仕上がりや費用が大きく変わることがあります。
ここでは、初めて依頼する方でも安心できる“業者選びのポイント”をまとめました。

① 見積り料金が明確であるか

上記のように、見積もり利用金の詳細などをしっかり提示してくれる業者を選びましょう。

曖昧なまま作業が進むと、後から追加料金を請求されるトラブルにつながることがあります。

② 排水トラップや洗濯機まわりの作業実績があるか

水まわりといっても、トイレ・キッチン・お風呂・洗濯機まわりでは作業内容が大きく異なります。

特に洗濯機下の排水トラップは構造が複雑なため、洗濯機まわりの施工実績が豊富な業者を選ぶと安心です。

③ 緊急時の対応スピード

水漏れが起きている場合や、洗濯機が完全に使えない場合は、最短で来てくれる業者かどうかも重要です。

「最短○分」「当日対応」などの記載があると安心できます。

④ 口コミ・評価を確認する

実際に利用した人の口コミは非常に参考になります。

こうした声が多い業者は信頼しやすい傾向があります。
逆に、料金トラブルの口コミが複数ある場合は慎重に判断しましょう。

⑤ 出張費・見積りが無料かどうか

排水トラブルは、原因を見てみないと判断できないケースが多いため、
出張・見積り無料の業者を選んでおくとリスクが少なく安心です。

費用を気にして相談をためらう必要がなくなるため、軽度の段階でプロに状態を見てもらうことができます。

防水パンに水が溜まるトラブルについてよくある質問≪Q＆A≫

まとめ：防水パンの水たまりは早めの対処が安心

洗濯機の防水パンに水がたまる原因の多くは、排水口や排水ホース、排水トラップの詰まり によるものです。

軽い詰まりなら自分で改善できますが、

• 何度も再発する
• 水が広く溜まる
• 悪臭やゴボゴボ音が続く

といった症状は、内部で根本的な詰まりが起きているサインです。

不安があれば早めに水道修理業者へ相談するのが安心です。

早期に対処すれば費用も抑えられ、洗濯機を安全に長く使い続けられます。

この記事の内容が、皆さまの“困った”を少しでも軽くし、快適に洗濯機を使い続けるためのお役に立てれば幸いです。