新築なのに下水の臭いがする…考えられる原因と放置してはいけない理由

新築の家に引っ越したばかりなのに、ふとした瞬間に「下水のようなにおいがする」と感じて不安になっていませんか？

まだ誰も使い込んでいないはずの住まいで異臭を感じると、「施工ミスなのでは？」「欠陥住宅なのでは？」と心配になってしまいますよね。

しかし、新築住宅で下水臭が発生するケースは、実は珍しいものではありません。

多くの場合ちょっとした原因や一時的な状況で起こっており、早めに原因を知ることで落ち着いて対処できることがほとんどです。

新築なのに下水臭い…考えられる主な原因

新築住宅で下水のようなにおいを感じた場合、多くは設備の不具合というよりも使用状況や環境による一時的な原因であることがほとんどです。

ここでは特に起こりやすい原因を順番に見ていきましょう。

排水トラップに水が溜まっていない

新築で下水臭がする原因として、最も多いのが排水トラップの封水切れです。

排水トラップとは、排水管の途中に水を貯めて、下水からの臭いが室内に挙がってくるのを防ぐ仕組みを指します。

引き渡し直やしばらく使っていなかった水回りでは、この封水が蒸発してしまい、下水臭が上がってくることがあります。

特にキッチン・洗面所・浴室など、使用頻度に差がある場所で起こりやすい現象です。

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施工時の設置ミスや調整不足

新築住宅では、設備自体は新品でも、施工時のわずかなずれや接続の甘さによって臭いが漏れることがあります。

たとえば排水管の接続が完全に密閉されていなかったり、パッキンの取り付けが不十分だったりすると、下水の臭いが室内に広がってしまうことがあります。

この場合住み始めてから気づくことも多く、「新築なのに臭う」という違和感につながります。

排水管の中に汚れや異物が残っている

施工中や引き渡しの段階で排水管の中に細かなゴミ、施工時の残留物が残っていることもあります。

これらが原因となり、水の流れが悪くなったり臭いがこもったりするケースも考えられます。

特に新築直後からにおいを感じる場合はこの可能性も否定できません。

換気不足による臭いの逆流

新築住宅は気密性が高いため、換気が不十分だと排水管内の臭いが室内にこもりやすくなります。

換気扇をほとんど使っていなかったり、窓を長時間締めきっていると一時的に下水臭を強く感じることがあります。

長期間使っていなかったことによる影響

引き渡しから入居まで時間が空いていた場合、水回りがほとんど使われていないことで排水トラップの水が減ってしまうことがあります。

この場合は異常ではなく、使い始めることで自然に回復するケースも少なくはありません。

天候(雨)による排水管内の空気圧変化

晴れている日は気にならないのに、雨が降ったときだけ下水のようなにおいがする場合、排水や空気の流れが雨の影響を受けている可能性があります。

雨が降ると下水道や排水管に流れ込む水の量が一気に触れます。

その結果排水管の内部で空気圧が変化し、通常は外に逃げている臭いが室内側へ押し戻されることがあります。

この時排水トラップの水量が少ないと臭いを防ぐ役割が十分に機能せずに下水臭を感じやすくなります。

排水管や通気管の通気不良が影響することもある

住宅の排水設備には排水をスムーズに流すための「通気管」が設けれています。

しかし、通気管の設置状態や外部の環境条件によっては雨の日にうまく空気が流れず臭いが逆流するケースがあります。

とくに強い雨や長時間の降雨時にニオイが出る場合は通期の問題が関係している可能性も考えられます。

場所別｜下水の臭いが出やすいポイント

新築住宅で下水臭を感じる場合、家全体が臭っているように思えても原因は特定の水回りに集中していることが多くあります。

ここでは場所ごとに考えられる原因を整理します。

キッチンから下水臭がする場合

キッチンは使用頻度が高い一方で、引き渡し直後はまだ十分に使われていないこともあります。

そのため、排水トラップの水が少なく、臭いが上がってくるケースがあります。

また、施工時に排水ホースの接続が甘かったり、隙間ができていると臭いが漏れやすくなります。

シンク下の収納を開けた時に臭いを感じる場合は、配管周りを一度確認してみましょう。

洗面所・お風呂・洗濯場から臭う場合

洗面所や浴室は引き渡し後しばらく使われていないことが多く、封水切れが起こりやすい場所です。

特に浴室の排水口は見た目ではわかりにくい構造になっているため、水が十分に溜まっていないことに気づきにくい特徴があります。

使用後にしばらくして臭いがする場合はこの可能性が考えられます。

トイレから下水臭がする場合

トイレの下水臭は便器と床の接続部分や排気の流れが原因となることがあります。

新築の場合でも設置時のわずかなズレや、封水が安定していないことで、臭いを感じることがあります。

常に臭うというより時間帯や換気状況によって感じる場合は、換気との関係も疑ってみましょう。

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家全体が臭うと感じるケース

特定の場所ではなく、家に入った瞬間や朝起きた時などに臭いを感じる場合は、換気不足や空気の流れが関係していることがあります。

新築住宅は気密性が高いため、一時的に臭いがこもりやすい傾向があります。

換気を意識することで改善するケースも少なくありません。

自分でできる下水臭の対処法

新築で下水臭を感じた場合でもすぐに専門業者を呼ばなければならないとは限りません。

まずは家庭で無理なく確認できるポイントから試してみましょう。

排水口にしっかり水を流す

まず最初に試してほしいのが、各水回りの排水口に十分な水を流すことです。

キッチン・浴室・洗面所など、普段あまり使っていなかった場所では排水トラップの水が減っていることがあります。

数分間水を流すことで封水が回復し、それだけで臭いが改善するケースも少なくはありません。

排水口やトラップ周りを軽く掃除する

見た目は一見きれいに見えても排水口のフタやトラップ部分にほこりや汚れが溜まっていることがあります。

無理に分解する必要はありませんが、取り外せる部分を軽く洗い流し、元に戻すだけでも臭いが和らぐことがあります。

換気を十分に行う

新築住宅は気密性が高いため、空気がこもりやすい特徴があります。

臭いを感じた時は換気扇を回したり、窓を開けて空気を入れ替えることで一時的な臭いが解消することもあります。

新築の下水臭は自然に消える？様子見していい期間の目安

新築住宅で下水のようなにおいを感じた時、「しばらく住めば自然に消えるのでは？」と様子見を考える方も多いでしょう。

実際に一定の条件下では自然に改善するケースも存在します。

ただし様子見が有効かどうかは臭いの原因や発生状況によって大きく変わります。

自然に改善しやすいケースとは

次のような場合、入居後の生活によって匂いが弱まることがあります。

これらは排水設備そのものに問題があるわけではなく、使用環境による一時的な状態です。

数日間キッチン・浴室・洗面所・トイレを普段通り使い、換気を意識することで臭いが気にならなくなることも少なくありません。

様子見の目安は「数日～1週間程度」

様子見をする場合の目安は入居後、数日から一週間程度と考えてよいでしょう。

しかしこの期間にも

といった状態が続く場合は自然に解消する可能性は低いと考えられます。

下水臭を放置すると人体にどんな影響がある？

新築住宅で下水のような臭いを感じた時、「ただ臭いだけだから大丈夫」と考えてしまう方も少なくはありません。

しかし、下水臭が続く状態は生活の不快感だけでなく、体調面にも影響を与える可能性があります。

気分不良やストレスの原因になることがある

下水臭のような強い臭いを長期間感じ続けると、人によっては頭痛や吐き気、不快感を覚えることがあります。

特に寝室やリビングなど長時間過ごす場所で臭いが続くと知らず知らずのうちにストレスが溜まり、集中力の低下や疲れやすさにつながることもあります。

体調が悪くなったように感じるケースもある

下水臭の原因には、排水管内に溜まった汚れや空気中に広がる微量のガスが関係していることがあります。

通常短時間であれば大きな健康被害につながることは多くはありませんが、長期間にわたって臭いが続く場合体調がすぐれないと感じる方もいます。

特に小さな子供や高齢の方体調に不安がある方がいる家庭では早めの対処が望ましいといえるでしょう。

それでも新築の下水臭が改善しない場合

上記の対処法を試しても下水のようなにおいが続く場合は、一時的な問題ではなく設備や施工に関係する原因が隠れている可能性があります。

下水臭が続いている状態を放置すると生活上の不快感だけでなく臭いの原因が悪化してしまうことも。

例えば排水管のせつぞく不良や隙間が原因の場合、時間が経つほど臭いが強くなったり、別の場所にも影響が出てしまうことがあります。

ここでは、見逃さないでほしいポイントについて整理します。

施工不良や配管トラブルの可能性

新築住宅であっても、施工時のわずかなミスや調整不足によって下水臭が発生することがあります。

排水管のせつぞく状態やトラップの設置状況などは見た目だけでは判断しにくい部分です。

こうしたケースでは、専門知識がないまま対処しようとすると原因を見誤ってしまうこともあります。

新築である「下水臭と勘違いしやすい臭い」

新築住宅では床材・壁紙、接着剤などから独特のにおいが残っていることがあります。

また、人の出入りが少なった影響で、湿気がこもりやすくなり、特に雨の日や梅雨の時期には湿度の上昇によって匂いが強く感じられることも。

この臭いは下水臭のように「嫌なニオイ」と感じられることがあり、特に入居直後は気になりやすい傾向があります。

換気を続けることで時間の経過とともに薄れていくのが特徴です。

新築の下水臭は誰に相談すべき？

新築住宅で下水のようなにおいが続く場合、「どこに相談すればいいのかわからない」と迷う方も多いのではないでしょうか。

原因や状況によっては相談すべき相手は異なるので、相談先を間違えないことが早期解決につながります。

ここでは「誰に・どのタイミングで」相談すべきか整理します。

新築引き渡しすぐの場合は、施工会社やハウスメーカーに相談する

新築住宅に住み始めて間もない段階で下水臭を感じた場合、まず相談すべき相手は施工会社やハウスメーカーです。

新築住宅には排水設備や施工に関する保証が付いていることが多く、施工ミスや設置不良が原因であれば無償で対応してもらえる可能性があります。

相談する際には、

などを具体的に伝えると原因の特定がスムーズになります。

施工会社に相談しづらい、原因がわからない場合は水道修理業者へ

施工会社に連絡しても原因がはっきりしない場合や、生活の使い方によるものと判断された場合は、水回りの専門である水道修理業者に相談するという選択肢があります。

水道修理業者は排水管の接続状態やトラップの設置状況など、専門的な視点から原因を確認することができます。

自分で対処しても改善しない場合は、無理に様子を見るよりも専門家に現状を確認してもらう方が安心です。

比較サイトを活用すれば安心して水道修理業者を選べる

水道修理業者に相談する際、「どこに頼めばいいのかわからない」「費用が不安」と感じる方も少なくはありません。

比較サイトを活用すれば対応内容や料金の目安、実績や口コミを確認でき、納得した上で業者を選ぶことができます。

新築なのに下水臭い？よくある質問≪Ｑ＆Ａ≫

まとめ

新築住宅で下水のようなにおいを感じたからと言って、すぐに大きなトラブルや欠陥を疑う必要はありません。

多くの場合排水トラップの水不足や換気の影響など、比較的シンプルな原因が重なっていることも多いです。

しかし一方で対処しても改善しない場合は、施工や配管に関係する問題が隠れていることもあります。

不安を抱えたまま我慢するよりも、原因を一つずつ整理し、必要に応じて専門家に相談することが安心して新生活を送るための近道です。