配管に入り込んだ木の根の除去方法｜自分でできる対処と業者に頼むべき判断基準を徹底解説

「最近、排水の流れが悪い」「以前より詰まりやすくなった」──。
そんな小さな違和感の裏側で、配管に木の根が侵入しているケースは珍しくありません。

木の根は細い状態で入り込み、知らない間にどんどん成長します。
気づいた時には、詰まり・逆流・悪臭・配管の破損など、
自分ではどうにもならない深刻なトラブルに発展してしまうことも。

木の根は水分を求めて排水管に入り込む性質があり、放置すると詰まり → 逆流 → 配管破損 → 高額修理という流れで症状が悪化していきます。

なぜ配管に木の根が侵入するのか？

木の根が配管内部に侵入する現象は、実は珍しいものではありません。
とくに築年数が経った住宅や、庭木が近い立地では自然に起こり得るトラブルです。

ここでは、なぜ木の根が配管に入り込むのか、その仕組みを専門知識がない人にもわかるように解説します。

木の根が排水管の“水分”に引き寄せられるため

植物の根は、地中の“水分のある場所”を正確に察知する能力があります。
排水管の周りは、わずかに湿り気があるため、木の根が近くまで伸びやすい環境です。

さらに排水管にわずかな隙間があると、そこから湿気や水気が漏れ出します。
木の根はその水気を求めて、隙間から管内へと入り込んでしまうのです。

経年劣化した排水管には“わずかな隙間”が生まれやすい

特に以下のような古い排水管では、木の根侵入が多発します。

これらは強度が落ちてくると、継ぎ目部分やひび割れから“わずかな水漏れ”を起こします。

その数ミリの隙間でも、木の根には十分な入口。
一度入り込めば、根は暗く湿った環境でどんどん育ち、やがて排水を塞いでしまいます。

敷地の樹木の種類によっても侵入リスクが変わる

じつは、木の種類によって根の伸び方や侵入のしやすさが異なります。
とくに以下の木は、家の近くに植えると配管トラブルが起きやすい代表格です。

これらは根の生命力が非常に強く、コンクリートを持ち上げるほどの圧があります。

「庭木を植えた位置なんて関係ない」と思いがちですが、根は地上部分の3〜5倍の範囲に広がることもあるため、配管への到達は十分にあり得ます。

木の根が侵入したときに起きる症状のサイン

配管の中に木の根が入り込むと、必ず何らかの“前兆”があらわれます。
ただし、放置すると気づかないまま根が太く成長し、気づいたときには大規模修繕が必要になるケースも少なくありません。

ここでは、木の根トラブルで多い「初期〜中期の症状」をわかりやすく紹介します。
あなたの家にも当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。

トイレ・排水口の流れが以前より遅くなった

最も多い初期症状が “水の流れが重くなる” というもの。
木の根は細い枝状の根から侵入し、内部でちょっとしたフィルターのような状態になります。

これらは、目に見えない場所で根が成長し始めているサインです。

外の排水枡（ます）から細い根が見える

庭にある排水枡を開けてみると、以下のような状態になっていることがあります。

ここで根が見える場合、高確率で配管内部にも侵入していると思ってほしい状態です。

特に古いコンクリート枡は継ぎ目から根が入りやすく、
「掃除しても掃除しても再発する」という人は、このケースに当てはまります。

家の外から“下水のニオイ”がするようになった

木の根が配管を圧迫すると、流れが悪くなり、排水が滞留しやすくなります。
結果として 外の土の中で下水が滲み出す ことも。

このような症状は、根が配管を押し広げたり、微小な破損を生んでいる可能性があります。

家庭内の排水が“複数箇所”で詰まりやすくなる

木の根が配管内に侵入すると、トイレだけでなく、キッチンやお風呂など複数の排水経路で詰まりが頻発するようになります。

根が内部でフィルターのようになり、流れてくる汚れや油分、髪の毛が引っかかるためです。

自分でできる木の根除去方法【安全にできる範囲のみ】

木の根による排水トラブルは、状況によっては自分で応急処置できる場合もあります。
ただし、誤った方法で作業すると 配管破損・再発・ケガ につながるため、ここでは「一般のご家庭でも安全にできる作業のみ」を紹介します。

排水枡（ます）にたまった細い根を手作業で取り除く

排水枡のフタを開けると、中に白い細い根がびっしり絡まっていることがあります。
この“表面の根”は、家庭用の道具を使って比較的簡単に除去できます。

高圧洗浄機（家庭用）で枡内部を軽く洗浄する

木の根は水に弱いため、枡内部に残った細い根を家庭用の高圧洗浄機で洗い流すと、ある程度きれいになります。

ただし、以下の点に注意してください。

家庭用高圧洗浄でできる範囲

・枡内部の汚れ落とし

・たまった細根の洗い流し

できない範囲

・配管内部に食い込んだ根の除去

・十数メートル先の根の切断

・太根（直径1cm以上）の除去

素人ではやってはいけない危険な作業

木の根トラブルは自分でできることも限られます。
絶対に素人がやってはいけない作業は以下の通りです。

これらは 高額修理につながる代表例 です。

配管は地中で固定されており、少しの力でも破損しやすい構造のため、
「根を取ろうとしたら配管が割れた」といった事例は多数あります。

木の根トラブルは専門業者に相談すべき理由｜費用相場と比較の重要性

木の根による配管トラブルは、軽度なら自宅で応急処置できますが、根本的な解決は “専門業者の作業” が必要 です。

木の根は地中で何メートルも伸びており、家庭で見えるのは“ほんの一部分だけ”。
奥のほうで太い根が成長しているケースを、自力で取り除くことは不可能です。

そこで重要なのが、信頼できる水道修理業者に早めに相談すること。
とくに比較サイトを利用すれば、費用・作業内容・対応エリアをまとめて確認でき、「どの業者が自分の状況に合っているか」が非常に判断しやすくなります。

業者に依頼するメリット

① 配管内部の“奥まで”根を完全除去できる

水道修理業者は、高性能の機材を使いながら配管の奥深くに入り込んだ根を切断・引き抜く ことができます。

とくに“カッター付きワイヤー”は、配管を傷つけずに木の根だけを粉砕するための専用工具。
一般の家庭では扱えない道具で、再発防止効果も高いのが特徴です。

② 再発しないように原因箇所を特定してくれる

木の根トラブルは、原因を解決しない限り再発します。

こういった “根が入り込んだ入口” の特定は、経験豊富な技術者でないと判断できません。

比較サイトから依頼すれば、「調査＋見積もり無料」の業者を探しやすく、“原因の特定だけ依頼” といった柔軟な使い方も可能 です。

こんな症状があるなら、すぐ業者に相談するべき

以下の症状がひとつでも当てはまる場合、木の根が“奥のほうまで入り込んでいる”可能性が高いため、
早めのプロ相談をおすすめします。

放置するほど作業範囲が大きくなり、工事費用が跳ね上がる ため注意が必要です。

業者による高圧洗浄・カメラ調査

木の根が疑われる場合、まず必要なのは排水管内の調査（内視鏡カメラ調査）です。
これにより、どこに根が侵入しているのか、どの程度の詰まりが発生しているのかを可視化できます。

調査後、高圧洗浄機によって根や汚れを除去するのが一般的な流れです。
特殊なノズルを使って水圧をかけ、排水管の内側から根を切断・洗い流す作業が行われます。

あわせて読みたい

戸建ての排水管をスッキリ解消！高圧洗浄の仕組み・費用・業者選びガイド 戸建て住宅の外壁や屋根、排水管などの汚れや詰まりに悩んでいませんか？年数が経つほど、カビやコケ、ホコリがたまりやすくなり、見た目の悪化だけでなく建物の劣化や...

木の根除去の一般的な費用相場

軽度（表面の根の除去）	10,000〜20,000円
中度（配管内部まで根が侵入）	20,000〜40,000円
重度（太い根・長い根・配管補修が必要）	40,000〜80,000円以上

同じ作業でも 2〜3倍の差 が生まれるケースもあるため、料金比較は必須 と言えます。

高圧洗浄・根の除去にかかる費用

木の根の除去で最も多いのが、高圧洗浄機を使った根切り作業です。

• カメラ調査：15,000円〜30,000円程度
• 高圧洗浄：20,000円〜50,000円程度（詰まりの度合いによる）

カメラ調査とセットで依頼することが多く、合計で3万円〜8万円程度が相場となります。

排水管修理・交換時の目安

根の侵入によって配管が破損している場合は、修理や交換が必要です。

• 部分的な配管交換：5万円〜15万円程度
• 配管全体の交換（数メートル規模）：30万円〜100万円以上（住宅規模や配管距離により大幅に変動）

古い住宅や配管の状況によっては、費用が高額になるケースもあります。

さらに排水桝にヒビが入っているなどの劣化がみられる場合には、交換に約50,000～100,000程度の費用がかかることも覚えておきましょう。

火災保険・地盤保証が使えるケースも

稀にですが、排水管の破損や地盤のズレが原因の場合、火災保険や地盤保証が適用されることがあります。
保険適用の可否はケースバイケースなので、業者と相談して確認しましょう。

「木の根」が原因で配管詰まるって本当？実際の体験談を調査

トイレの水が急に流れにくくなったり、流したはずのない異物が詰まっていると感じたとき、原因は思いもよらないところにあることがあります。

実際に、数多くのご家庭で「トイレの詰まりは木の根が原因だった」というケースが報告されています。

ケース1：点検しなければ絶対に気づけなかった庭の木の根詰まり

「トイレの流れが急に悪くなったが、特に何かを流した覚えもなく、原因がわからず困っていました。自分でできる掃除やラバーカップを試しても改善しなかったため、専門業者に点検を依頼。すると、庭の外にある排水管の中に木の根がびっしり詰まっていることが判明しました。」

点検しなければ見つけられない場所に根が入り込み、排水の流れを塞いでいる状態。

放置していればさらに詰まりが悪化し、配管破損のリスクも高まります。専門的な調査と早期の対処が必要なケースです。

ケース2：流した覚えがないのに水の流れが悪く、配管の交換が必要に

「トイレに何も流していないのに流れが悪くなり、困っていました。業者に点検してもらったところ、木の根が排水管を壊しながら伸びていると判明。修理のために排水管の一部を交換しなければならず、想定外の出費になりました。」

このケースは、根が配管を破壊し、詰まりだけでなく配管自体の劣化・破損を招いた例です。

被害が進行すると、修理費用も高額になるため、症状が軽いうちに点検を受けることが大切です。

ケース3：トイレの水が床にあふれ、排水桝を確認すると根と尿石が詰まっていた

「トイレの水が床にあふれるトラブルが頻発していました。恐る恐る排水桝（マス）を確認すると、大きな木の根が何本も詰まっているのを発見。さらに尿石も溜まっていて、排水の流れが極端に悪くなっていました。すぐに業者に依頼し、高圧洗浄と除去作業をしてもらいました。」

木の根と尿石の複合的な詰まりで、トイレの水があふれるほどの深刻な症状。

こうなると自力での解決は困難で、速やかな専門業者への依頼が不可欠です。

あわせて読みたい

排水桝の役割と重要性｜仕組みやお手入れ方法を解説 私たちが普段利用している水回り設備から流れる排水は、排水管を通って下水管へと流れていきます。 この排水を排水管から下水管へ繋ぎ、排水から油分や汚れから分離する...

木の根によるトラブルを防ぐための予防策

木の根が排水管に侵入してしまうと、トイレ詰まりの原因になるだけでなく、排水管の破損や悪臭の発生など、深刻なトラブルにつながります。
ここでは、そんな被害を未然に防ぐための具体的な予防策を紹介します。

敷地内の樹木管理（剪定・伐採）

まずは、排水管の周囲に植えられている木の管理が重要です。
特に排水管の近くに根が伸びやすい種類の木は、定期的な剪定や場合によっては伐採を検討しましょう。

• 根が排水管方向に伸びないように注意
• 新たに木を植える際は、排水管から十分な距離を確保
• 庭師や専門業者に樹木の健康状態や根の伸びを確認してもらうのも効果的

排水管の点検とメンテナンスの重要性

排水管は地中に埋まっているため、目視での確認は難しいですが、定期的なカメラ調査や高圧洗浄を行うことがトラブル防止につながります。

• 排水管内のひび割れや根の侵入を早期発見
• 汚れの蓄積を除去し、水の流れをスムーズに保つ
• 業者に定期点検の契約をすることで安心感が得られる

再発を防ぐための施工（樹脂ライニングなど）

もし排水管が古くなっている場合や根の侵入が繰り返される場合は、樹脂ライニング工法などの配管補修が効果的です。

• 配管の内側に特殊な樹脂を塗布して補強
• 新たなひび割れや根の侵入を防止
• 工期が短く、掘り返し工事が不要なケースもある

配管に木の根が詰まるトラブルについて｜よくある質問（FAQ）

まとめ

最初は軽い詰まりや流れの悪さだけでも、放置すれば根は徐々に太くなり、
配管の破損・枡のひび割れ・汚水の逆流といった深刻なトラブルに発展します。

今回ご紹介したように、

などで軽度なら対処できますが、配管の奥へ伸びている根の除去は、専門業者でないと対応が難しいのが実情です。

さらに、木の根除去は「軽度〜重度」で費用が大きく変わるため、早めに相談した方が結果的に安く済むケースが圧倒的に多くあります。

初期段階では気づきにくいものの、水の流れが悪くなったり異音がしたり、頻繁に詰まる場合は木の根の可能性が高いです。
自己判断で無理に処理しようとすると被害が拡大する恐れがあるため、早めに専門業者に相談して内視鏡カメラ調査や高圧洗浄で根本的な原因を突き止め、適切な対処を行うことが重要です。

また、木の根の侵入を防ぐためには、庭木の管理や定期的な排水管点検、必要に応じた配管補修・交換などの予防策を日頃から心がけることがトラブル回避につながります。