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みなさんは『トーラー』という詰まり抜き工具をご存知でしょうか?
ご家庭にあるトイレやキッチンなどで、排水つまりが発生したときに『トーラー』という工具を使うことがあります。
トーラーを用いた作業のことをトーラー作業と呼び、水道修理業者も排水つまりを解消するときに行うことの多い排水つまり修理方法の1つです。
ただ、普段の生活の中でトーラーという聞きなれない言葉のせいで「トーラーってなに?」「どんな作業なの?」と不安に思われる方も多いかもしれません。
排水つまり時にトーラーは大きな効果を発揮するため、この機会にトーラー作業について理解を深めておくようにしましょう。
この記事では『トーラーとはそもそもどういった道具なのか?』ということについて詳しくご紹介します。
実際にトーラー作業を水道業者に依頼した場合の費用相場や、ご自身でトーラーを使って排水つまりを解消するための方法についても併せてご紹介します。
ぜひ最後までご覧くださいね。
まず初めにトーラーについて簡単に解説します。
トーラーとはワイヤーを排水管中に入れていきグルグル回すことで、排水管内部の汚れをそぎ落としていく工具です。
水道修理業者の間ではトーラーと呼ばれていますが、他にも簡易版のトーラーがあり一般の方向けには『ワイヤー式パイプクリーナー』や『ワイヤーブラシ』など様々な名称で販売されています。
ホームセンターやネットなどでも気軽に購入することができます。
自分で作業する場合にはワイヤーシキパイプクリーナーで始めてみましょう。
理由としては水道業者が使うトーラーは非常に高額であり、1家庭で頻繁に使う事もないからです。
業務用で使用するものを『トーラー』、家庭用で使用する簡易的なものを『ワイヤー式パイプクリーナー』と覚えておけば大丈夫です。
トーラーには電動タイプや手動タイプがあり、メーカーや種類によってサイズや性能も大きく異なります。
ご家庭用に購入する場合には、安価でシンプルなタイプのワイヤー式パイプクリーナーがおすすめです。
トーラーを分かりやすく説明すると『排水つまりの原因を除去するための道具』です。
例えばトイレつまりが発生した場合の対処方法として、一番はじめに思い付く道具は『ラバーカップ』ではないでしょうか?
一般的には『スッポン』という名称で呼ばれることが多いですが、便器などの排水口に密着させ勢いよく引き上げることで排水つまりの原因を少しずつ動かし解消します。
ラバーカップは空気圧の力で間接的につまりを除去する方法ということに対して、トーラーはワイヤーを回すことでで直接的につまりを除去することができます。
そのためラバーカップと比べても、排水つまりを解消する効果が高く、配管のつまりに対して非常に有効な手段です。
また先端のアタッチメントを取り替える事で用途を変えることができ、タオルなどが排水管内に入ってしまった時にタオルを引っかけて抜き出すなんて使い方も可能です。
まず第一条件として、トーラーは全ての排水つまりに対して有効なわけではありません。
場合によっては、つまりの症状が悪化してしまう可能性もあるため『トーラーはどのような排水つまりに対して効果的なのか』ということについて理解しておくようにしましょう。
主にトーラー作業が必要になる場合は以下の通りです。
水溶性のつまりに対して、トーラーは有効です。
水に溶けるつまりの例として『トイレットペーパーや汚物』『汚れの蓄積によるつまり』があります。
トーラーは排水経路に発生したつまりの原因を、ワイヤーの先に取り付けられたブラシなどのアタッチメントで徐々に削り取り、排水として流すことでつまりを解消します。
つまっているものによってはアタッチメントを取り替えて掻き出すこともできます。
慣れていない人がトーラー作業を行うと排水つまりの原因を配水管の奥へと更に押し込んでしまい、つまりの症状が更に悪化してしまう危険性もあります。
さらにトーラーは力任せに排水管内で動かしてしまうと、配管を傷めて水漏れや破損などトラブルの原因になってしまうこともあります。
トーラーを使用する場合には必ず正しい手順で作業するようにしましょう。
空気圧の力で間接的につまりを除去するラバーカップと、ワイヤーの先に取り付けられたブラシで直接的につまりを除去するトーラーを比較した場合、トーラーを使った作業の方が排水つまりを除去する効果が高いと言えます。
ただ、トーラー作業の手間や使い終わった後の処理などを考えると、圧倒的にラバーカップの方が手軽につまりを解消することができます。
トイレやキッチンの排水口で生じた排水つまりは、50%くらいはラバーカップで解消することができます。
排水つまりが発生したときには、まず始めにラバーカップを使って作業するようにしましょう。
ラバーカップでつまりを解消できなかった場合は、より効果の高いトーラー作業を行うようにすれば効率的につまりを解消することができるはずです。
ただし、一時的に詰まりが解消しても何度も詰まってしまうようなケースでは根本的な詰まりの原因の除去が必要になります。
そのような場合はトーラーや高圧洗浄の出番です。
トーラーについて、簡単にご紹介しましたが、過去には「じゃぁトーラーと高圧洗浄ってなにか違うの?」と言われることが多々ありました。
一番シンプルな伝え方は【高圧洗浄=水圧で洗浄】【トーラー=ワイヤーでほじくり回す】といった違いです。
排水管の中をイメージしてみてください。
排水管の中でワイヤーがグルングルン回っていると、排水管内の固着した汚れなんかも掻き落としていきます。
そしてトーラーのワイヤーは物理的に汚れにあたっていくので、固着していても落とせる可能性が高いです。
例えば、耳かきを耳の中でぐるぐる回しているイメージしてもらえばわかりやすいかもしれません。
ただしトーラーの「ワイヤーをぐるぐる回す性質」では、排水管内の全ての汚れを取ることはできないことが多いです。
一方、高圧洗浄は高圧の水を360℃噴き出しながら排水管の中を進んでいきます。
配管内の汚れをキレイに落としたいときは、360℃洗浄できる高圧洗浄が向いています。
トーラーと高圧洗浄をうまく組み合わせることで、固着した汚れや詰まりの原因にしっかりと対処することができるため、工具ごとの特徴や効果を活かして作業することが大切です。
トーラーには大きく分けると『手動タイプ』と『電動タイプ』の2つがあります。
トーラーのタイプによって性能も本体の価格も大きく異なるため、それぞれの違いについて理解しておきましょう。
手動トーラーは、ネットやホームセンターなどで2万円~3万円程度で購入することができます。
手動トーラーがお家にあれば、多くのつまりのトラブル時に活躍してくれます。
手動式なので手の感覚を使って排水管を傷めないように作業することが可能です。
ワイヤーの長さは商品によって異なりますが、家庭用で利用するものは2m~3m程度の長さがあれば十分です。
3m以上奥につまった排水管の汚れは自分で対処することは難しいため、専門の詰まり業者に依頼して修理してもらうようにしましょう。
電動トーラーは、電気の力でワイヤーを回し排水管内部を強力に掃除できるため水道業者が使うことが多い工具です。
ワイヤーの長さも10m以上あり、本格的な排水管内部のつまりや汚れに対処することが可能です。
ただしトーラー本体の値段も跳ね上がり、数十万円するものなので家庭用として購入するのはあまりおすすめできません。
電動トーラーはパワーも強いため、設置してから経年劣化している排水管などは、破損などのトラブルがおきるリスクもあります。
「どうしても電動トーラーが欲しい」「水道屋さんとして独立したい」といった方以外は、購入する必要はないと思います。
電動トーラーで排水つまりを解消したい場合には、給排水設備について正しい知識と技術力を持った専門の詰まり業者に依頼して作業を行ってもらうのがおすすめです。
トーラーはワイヤーの先にアタッチメントを取り付けて、排水管のつまりを直接除去する工具の1つです。
排水管やつまりの状況によってアタッチメントを使い分けることで効果的に除去することが可能です。
トーラーの先端に装着するアタッチメントには数多くの種類がありますが、排水管のつまりに効果的なアタッチメントについていくつがご紹介します。
つまり物を特定するためにトーラーに装着される標準的なヘッド。繊維やトイレットペーパー、生ごみなどのつまりを掻き出すことができる。
マルチヘッドはトイレのつまりに最適な幅広のアタッチメント。ギザギザのついたヘッドでつまりを切り崩しながらつまりを解消する。
ブレードカッターは排水管内部に蓄積した油汚れや洗剤カスなどの柔らかい堆積物を除去するためのヘッド。先端が三角状の刃の形になっている。
パンチカッタ―は硬化したつまり物を粉砕し除去することができるヘッド。ブレードカッターにギザギザの刃がついた形でより効果的につまりを除去することができる。
ワイヤブラシはつまりを除去した後に清掃仕上げ用のアタッチメント。固いブラシが排水管の壁面の汚れをこそぎ落しながら回転する。
このようにトーラーのアタッチメントはメーカーによってさまざまな種類があり、つまりの原因や症状に応じて適切に使い分けることができます。
一般的に市販されているワイヤーブラシやワイヤー式パイプクリーナーは先端部分がブラシのみの場合も多いですが、水道業者が利用する本格的な電動トーラーは更に高い効果を発揮することができる工具になります。
トーラーは排水管に直接ブラシを差し込むため、細心の注意を払って作業をする必要があります。
排水管の状況によってはトーラーを使えないケースもあるということを覚えておきましょう。
その他にも注意しなければならないポイントもあります。
以下ではトーラーが使えないケースと、トーラーを使うことで生じるリスクについてご紹介します。
トーラーはワイヤーの先にブラシが付いているという特性上、どうしても使用することができないケースがあります。
自宅の排水管が以下の3つに当てはまる場合は、トーラーを使ってつまりを解消することは難しくなります。
排水管が20㎜以下で細すぎる場合は、トーラーを排水管内部で動かすことが難しいためトーラー作業を行うことができません。
無理にトーラーを掛けてしまうと排水管を傷付けてしまい、配管や接続部分が破損して水漏れが生じてしまうこともあります。
排水管が細くトーラー作業を行うことが難しいときにはローポンプや高圧洗浄を使って排水つまりを解消するようにしましょう。
排水管が40㎜以上の場合には、排水管の壁面に付着した汚れにワイヤーの先端のブラシが届きづらくなってしまいます。
排水管内部を完全に塞いでしまうような排水つまりの場合には、排水管の中心部分のつまりを削り落として排水トラブルを解消することができますが。
しかし、排水管に付着したすべての汚れを取り除くことは難しく、再び同じ症状が繰り返し引き起こされることがあります。
この場合には併せて高圧洗浄などを行い、つまりの根本的な原因を除去する必要があります。
排水管内部のつまりは、排水経路の浅い部分で生じることが多いためトーラー作業を行えばつまりの症状を解消することができることが多いです。
しかし、排水つまりの原因が排水口から12mを越えるような、排水管の奥深くで発生している場合にはトーラーのワイヤーの長さが足らず作業を行うのが難しくなります。
排水管の奥でつまりが生じたときには、高圧洗浄などのトーラー以外の方法でつまりを解消する必要があります。
しかし、その他の方法でも原因となる異物を除去するのが難しい場合には、排水管を取り替えなければならないケースもあります。
トーラーは排水口からブラシを直接差し込んでいくため、力加減を間違えてしまったりすると排水管を傷付けてしまうというリスクがあります。
金属製の排水管が劣化している場合には、ヒビが入ってしまい水漏れが発生することもあるため注意しなければなりません。
手動式の場合にはある程度の感触が手に伝わってきますが、電動式の場合には加減が難しくなってしまいます。
トイレなどにトイレットペーパーや汚物などの水に溶けるつまりが発生した場合には、トーラーを使えばほぼ確実につまりを解消することができます。
しかし、トイレの便器内に生理用品や腕時計などの固形物を落としてしまった場合にトーラーを使ってしまうと、つまりの原因を排水経路の奥に押し込んでしまうため症状が悪化してしまうケースもあります。
水に流すことのできないティッシュやお掃除シートの場合には、ワイヤーの先のブラシで掻き出すことができることもあります。
もしもトイレの便器内に異物を落としてしまったときには決して水を流さず、手で取り除くようにしましょう。
便器内のトラップ部分に引っ掛かった場合には、便器を取り外して作業を行わなくてはならないケースもあります。
便器の取り外しを伴う作業は便器を破損させる恐れもあるため、プロの水道業者に依頼して修理してもらうようにしましょう。
トーラーを使う事で発生するリスクについては、おわかりいただけたかと思います。
ここからは「トーラーの使い方」を解説していきます。
「トーラーを使ってみたけれど、排水口からワイヤーが抜けなくなった!」といったトラブルも起こり得ますので、排水管内でワイヤーがどのような動きをしているのかイメージしながら作業しましょう。
手動トーラーやワイヤーブラシの付い方を紹介します。
高い工具を購入しなくても、シンプルなタイプのもので十分効果を発揮します。
家庭用として使用するトーラーは2m~3m程度のものを選ぶようにしましょう。
トーラーを差し込むときに、まったく奥まで入らないことがあります。
この場合にはS字型に湾曲した排水トラップやエルボ(排水管が曲がっている部分)に引っ掛かっていることが原因でうまく差し込めていない可能性があるため、先端を曲げたり、ゆっくり回して奥へ入れていくようにしましょう。
実際に作業を行ったときに「これ以上は難しい」と感じた場合には、すぐに作業を中止してプロの水道業者に依頼するようにしてください。
電動トーラーは手動式のものよりも効果が高いですが、パワーも強力なため注意して作業しなければ排水漏れなどが生じてしまうリスクがあります。
電動トーラーは扱い方にコツがあるため慣れていない方はとくに注意するようにしましょう。手順は以下の通りです。
電動トーラーを使用するときにコンセントが近くにない場合には、延長コードを準備しておくようにしましょう。
電動トーラーを使用するときには、貫通させるのではなく異物を少しずつ削り取っていくイメージで行うようにしましょう。
電動トーラーを使っても解消できない場合には、排水管につまりが生じている部分をカットして新しい排水管に交換して対処します。
排水管の交換などは自分で行うことは難しいため、必ずプロの水道修理業者に依頼して適切に対処してもらうようにしましょう。
トイレやキッチンなどでつまりが発生したときに、「家にラバーカップやトーラーがない」なんてこともあると思います。
今すぐ排水のつまりを解消したいときに、わざわざ工具を買いに行っている暇なんてありませんよね。
特に、深夜早朝などのお店が開いていない時間帯ならなおさらです。
そんなときには、どのご家庭にもあるワイヤー製のハンガーをトーラーの代用品として使うことができます。
ワイヤー製のハンガーをまっすぐに伸ばして、ワイヤー代わりにして排水口の内部に送り込んでつまりを削り取るように動かします。
ハンガーの切り口が排水管を傷付けてしまうこともあるため、挿し込むほうを軽くを丸めておくと安心でしょう。
ここまで、トーラーの使い方や特徴を解説してきました。
しかし、正しくトーラー作業を行わなければ、排水漏れや排水設備の破損などのトラブルが発生してしまうというリスクがあるということもお伝えしてきました。
トーラー作業は、ラバーカップなと比べて手間と時間がかかります。
また詰まり抜きの作業後にはトーラーのブラシ部分を洗わなければならず、トイレでトーラー作業を行った後なんかは他の水まわりで再使用するのをためらってしまうと思います。
またトーラー自体がそれなりに高額なため、使用頻度を考えても自宅用に購入するのはコスパが悪いです。
自分で作業するのが難しい場合や、そんなに頻繁に詰まりのトラブルが起きない家庭なら、水道修理業者に依頼するのがおすすめです。
確実に排水つまりの原因を取り除いてくれるため、最短でトラブルを解消することができるでしょう。
24時間365日対応している水道修理業者に頼めば、早朝や深夜に起きた突然のトラブルでも即日対応してもらうことができるという大きなメリットがあります。
トーラー作業を水道修理業者に依頼する場合にかかる料金の目安は12,000~20,000円が相場です。
水道修理業者によって作業料金や基本料金は異なるため、詳しい費用は見積もりを行った時に確認するようにしましょう。
つまりの原因となるものが排水管のどの位置にあるかということも重要なポイントです。
ほとんどの水道修理業者が3mまでのトーラー作業が基本作業料金としており、3mを越えるトーラー作業に関しては1mごとに追加費用がかかるケースが多いです。
トイレの排水つまりに関しては便器の脱着が必要な場合もあるため、便器の脱着作業料金が別途必要になることもあります。
便器の脱着作業の費用相場は15,000円~30,000円程度がかかります。
便器の脱着を行ってトーラー作業でつまりを解消する場合には、30,000円~50,000円と高額になる可能性があるということを理解しておきましょう。
トーラー作業は、排水管内でをワイヤーで掻きまわすため、固着した汚れや排水詰まりにも高い効果を発揮する工具の1つです。
ただ、トーラーを使うときには、正しい手順で注意点をしっかりと押さえて行わなければ排水トラブルが深刻化してしまうというリスクもあります。
ラバーカップよりも効果は高いですが、トーラー作業は手間も時間もかかるため軽度なつまりに対しては、まずラバーカップを使ってみるのがおすすめです。
最終的にトーラー作業が必要になった場合でも決して無理することなく、つまりが解消することができないと判断した場合にはプロの水道修理業者に依頼して適切に対処してもらうようにしましょう。