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給湯器の仕組みや種類を解説|給湯器ごとのメリット・デメリットも紹介

給湯器の仕組みについて考えたことがある方は少ないでしょう。

給湯器とは「お湯を作る機械」で、「お湯の作り方」や「お湯を作る性能」などによっていくつか種類があります。自分の家族構成や居住地の気候に合ったものを選ばないと生活に支障をきたす場合があります。

本記事では、「給湯器の仕組み」「給湯器の種類や特徴」について詳しく解説していきます。

この記事を読んで欲しい人

  • 給湯器の仕組みについて知りたい
  • 給湯器の種類について知りたい
  • 種類ごとの給湯器のメリット、デメリットについて知りたい
  • マンションに設置されている給湯器の仕組みや構造について知りたい
  • 光熱費を抑えられる給湯器について知りたい
目次

給湯器の5つの種類について

給湯器の5つの種類について

給湯器と一口にいっても、方式によってさまざまな種類に分けられます。

給湯器の種類は、大きく分けて次の5つです。

それぞれくわしく見ていきましょう。

ガス給湯器

ガス給湯器は、主に都市ガスやプロパンガスを利用してお湯を供給する給湯器です。

日本でもっとも古くから使用されているタイプの給湯器でもあります。

ガス給湯器の供給システムは直圧式(ちょくあつしき)と貯湯式(ちょとうしき)の2つです。

瞬間式は即座にお湯を供給できるタイプ、貯湯式は一度に多くのお湯を使えるタイプで、利用者の生活スタイルに合わせて選べます。

ガス給湯器は都市ガスの普及率が高いことや、プロパンガスが安定供給できるといった点から、主に都市部で多く使われます。

電気給湯器

電気給湯器は、電気を利用してお湯を生成する給湯器です。一般的にタンク式とタンクレス式があります。

電気給湯器は設置が比較的簡単で、再生可能エネルギーと組み合わせやすいため、環境にも優しい選択肢です。例えば、北海道の一部地域では風力発電と組み合わせた電気給湯器が導入され、その効果が確認されています。

電気給湯器なら、強風が吹く立地や天候を活かし、エネルギーを無駄なく利用することが可能です。

環境省では、再生可能エネルギーの利用は2020年の10〜12%から2030年には17〜19%まで増えると予想。国内の再生可能エネルギーの導入率の増加に伴い、電気給湯器が注目を集めています。

エコキュート

エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を生成する給湯器です。

パナソニックが開発した製品で、電気代の安さやエコの観点から注目されています。

暖房と組み合わせて使用されることが多く、太陽光発電との相性がいい点が特徴。

光熱費が抑えられるだけでなく、地球環境にも優しいタイプです。

エコジョーズ

エコジョーズは、排気熱を利用して水を温める給湯器です。

リンナイが開発した製品で、発生した熱を利用するため、従来よりも少ないガス消費量でお湯を沸かせます。

ガス代が安くなるのはもちろん、CO2排出量を減らせる環境に優しい面からも人気です。

2020年には全国で1,000万台以上普及しています。

石油給湯器

石油給湯器は、灯油を燃料としてお湯を供給する給湯器です。

地域によってガスが利用できない場合や、冷暖房との一体型を希望する場合に使われます。

交換頻度が低くランニングコストを抑えられる点から、とくに寒冷地で多く使用されるタイプです。

給湯器の種類別の仕組みと特徴

給湯器の種類別の仕組みと特徴

給湯器の主な種類5つについて理解できたでしょうか?

ここからは、種類別の仕組みと特徴についてさらに深掘りしていきましょう。

給湯器の基本的な仕組みについて

給湯器は、水道水を温めてお湯を沸かすための設備です。水道管と給湯器は繋がっていて、蛇口をひねるとお湯が出る仕組みになっています。

給湯器でお湯を沸かす方式には、直圧式と貯湯式があります。

それぞれの違いを見ていきましょう。

直圧式

直圧式の給湯器は、水道の水圧を利用してお湯を沸かす方式です。

給湯器に供給された水道水をボイラーで加熱し、直接蛇口から水が出てきます。直接供給されるためタンクが要らず、場所をとらずに設置できる点が特徴です。

また、お湯切れを起こしやすい貯湯式と異なり、使いたい分だけお湯が使えるのもメリットです。

お湯の使用量や温度は好きなように調整できます。

デメリットとして、貯湯式と比べると本体価格は高めです。また、水圧が高いため、古い配管で使用すると破裂する恐れもあるでしょう。

貯湯式

貯湯式の給湯器は、あらかじめ一定量のお湯をタンクに貯めておき、必要な時に使う方式です。

タンクに貯蔵されたお湯は一定の温度を保っているため、蛇口を開けるとすぐに利用できるのがメリット。井戸水など水質が良くない水でも利用でき、圧力が少ないことから古い配管でも破裂の心配なく使えます。

瞬間式と比べるとお湯を供給するまでに時間がかかるものの、一度に大量のお湯を使用できる点で便利です。また、直圧式と比べると本体価格も割安になっています。

デメリットとしては、タンクに貯まった分のお湯しか使えないことです。タンク内のお湯がなくなると、沸かし直しに時間がかかってしまいます。

また、圧力が弱いことから、2階以上で使うには向きません。直圧式と比べて燃焼効率が悪く、灯油の使用量が多くなる点にも注意が必要です。

ガス給湯器の仕組みと特徴

ガス給湯器の仕組みと特徴は次のとおりです。

ガスを燃焼させお湯を作る

ガス給湯器は、都市ガスやプロパンガスを燃焼させてお湯を沸かす仕組みです。

ガスが燃焼することで熱が発生し、それによって水を加熱することでお湯を作ります。

ガス給湯器は燃焼による熱効率が高く、即座にお湯を使える点が特徴です。

直圧式の製品が多い

ガス給湯器は、直圧式の製品が多くあります。

直圧式は水道の水圧を活かしてお湯を供給するため、パワフルで快適なシャワーや給湯を実現します。

また、タンクに水をためる手間がなくすぐに使えるため利便性が高く、急に大量の水が必要な時でも対応可能です。

ガス給湯器でも電気代はかかる

ガス給湯器はその名のとおり、基本的にガスを使用してお湯を作ります。

しかし、ガスの点火時や制御系には電気が必要なため、ガス代だけでなく電気代も考慮する必要があるでしょう。

ガス代と電気代を合わせると、光熱費がかさむ恐れがある点に注意してください。

また、停電時にもリモコンが使えないなどの影響を受ける可能性があります。

電気給湯器の仕組みと特徴

電気給湯器の仕組みと特徴は次のとおりです。

深夜の安い電気を使いお湯を作る

電気給湯器は、主に電気を使ってお湯を沸かす仕組みです。

一部の製品では、深夜の電気料金が安い時間帯を利用し、お湯を事前に準備しておくことも可能です。

これにより、電気代を抑えて効率的にお湯を使えます。

貯湯式の製品が多い

電気給湯器は、貯湯式の製品が多く見られます。

これは電気で加熱されたお湯をタンクに貯めておき、必要な時に利用する方式です。

瞬間式に比べるとエネルギー効率が高いものの、一度に多くのお湯を使用できないといった面もあります。

エコキュートの仕組みと特徴

続いて、エコキュートの仕組みと特徴について見ていきましょう。

電気を動力にヒートポンプシステムでお湯を作る

エコキュートは、電気を動力にヒートポンプシステムを利用してお湯を沸かす仕組みです。

ヒートポンプとは、空気中の熱や地中の熱といった外部の熱源を利用し、それを圧縮・膨張させることでお湯を作り出す方法のこと。

ヒートポンプシステムは再生可能エネルギーを活用できるため、効率よくお湯が使えます。

ランニングコストが安い

エコキュートは、利用することで光熱費の削減が可能です。

家庭の消費エネルギーの3割は給湯によるものといわれています。

エコキュートのランニングコストは、ガスや電気と比べると3分の1〜4分の1程度。

効率のよいヒートポンプ方式にくわえ、昼間電力より割安な夜間電力を使用してお湯を沸かすため、ランニングコストを抑えられるのです。

エコジョーズの仕組みと特徴

続いて、エコジョーズの仕組みと特徴について見ていきましょう。

ガスを動力に排気熱を利用しお湯を作る

エコジョーズは、ガスを動力に排気熱を利用してお湯を作り出す仕組みです。

従来の給湯器はおよそ200℃の排熱を出し、そのまま捨てていました。

その無駄になっていた排気熱を再利用することで、燃費効率を上げ光熱費の削減にもつながります。

ランニングコストが安い

エコジョーズもエコキュート同様、ランニングコストが安いのが特徴です。

給湯熱効率は従来と比べて高いのに比べ、ガス使用量は15%抑えられており、燃焼にかかるコストを減らせます。

エコジョーズの公式サイトによると、年間で約18,000円のガス代が節約できます。

石油給湯器の仕組みと特徴

石油給湯器の仕組みと特徴は次のとおりです。

石油(灯油)を動力にお湯を作る

石油給湯器は、灯油を動力としてお湯を作り出す仕組みです。

灯油が燃焼することで生じる熱を利用し、お湯を沸かすもので、仕組みとしてはガス給湯器と似ています。

ガス給湯器と比べて値段が安く、小さな灯油タンクでも比較的長持ちする点が魅力です。

石油給湯器は、灯油を供給するためのタンクを置くスペースが必要です。

また、常に灯油を切らさないよう注意が必要な点や、灯油価格が高騰するとそのまま家計にも影響する点がデメリットといえるでしょう。

寒い地域で人気が高い

石油給湯器は、寒冷地域での需要が高い傾向です。

寒冷地はとくに冬場の光熱費がかさみやすく、ランニングコストの安さから石油給湯率の利用率が高くなっています。

また、石油給湯器はガスや電気が利用できない山間部などの地域にも適しています。

それぞれの給湯器のメリット・デメリット

それぞれの給湯器のメリット・デメリット

給湯器には、方式によってさまざまなメリット・デメリットがあります。

ここでは、給湯器の種類ごとにメリット・デメリットを見ていきましょう。

動力がガスの給湯器

動力がガスの給湯器は、ガス給湯器とエコジョーズに分けられます。

ガス給湯器のメリット・デメリット

ガス給湯器のメリットは次のとおりです。

ガス給湯器の多くが直圧式のため、使いたいときにすぐにお湯が使えます。

構造がシンプルで操作も簡単なため、幅広い年代で使いやすいのも特徴。

また、初期費用が安く設置しやすい点もメリットといえます。

デメリットは次のとおりです。

まず、ガス供給が不安定な地域では利用しづらい点が挙げられます。

運転音も大きいため、設置場所には注意が必要でしょう。

また、ガス給湯器といえど電気代も発生する点を考慮しなければなりません。

エコジョーズのメリット・デメリット

エコジョーズのメリットは次のとおりです。

一番の特徴はエネルギー効率の高さです。

もともと捨てるだけだった排気熱を利用するため、効率よくお湯を沸かせます。

ガス代が安くなるだけでなく、地球環境にも優しいのが特徴です。

また、蛇口から出た水を沸かして供給するため、お湯としてそのまま飲めるのも便利な点といえます。

デメリットは次のとおりです。

なんといっても、他の給湯器に比べると設置費用がかかる点に注意しましょう。

本体だけでも15万円〜30万円ほどかかり、設置時には排水工事も必要です。

また、ガス製品のため、ガス漏れや火事の可能性もないとは言えません。

動力が電気の給湯器

動力が電気の給湯器は、電気給湯器とエコキュートに分けられます。

電気給湯器のメリット・デメリット

電気給湯器のメリットは次のとおりです。

電気給湯器は、ガスに比べると運転時の音が静かな点が特徴。

また、基本的に温められたお湯をタンクにためておくため、非常時や断水時でも一定量のお湯が使えます。

また、本体が頑丈なため、平均寿命は20年と長持ちするのもメリットです。

デメリットは次のとおりです。

一定量を超えるとお湯切れを起こす

設置費用が高いこと、設置スペースが必要なことが挙げられます。

また、タンクにためられる量には限界があるため、一定量を超えるとお湯切れを起こし水しか出なくなることもあります。

エコキュートのメリット・デメリット

エコキュートのメリットは次のとおりです。

エコキュートはCO2排出量が少なく、地球に優しいエコな製品。

また、夜間電力を使用することで電気代を安く抑えられます。電気給湯器同様、停電や断水時でもタンクに残ったお湯が利用可能。

さらにエコキュート専用のスマホアプリがあり、外出先でお湯はりや追い焚きの操作もできます。

また、ガス給湯器と違って火を使わないため、火事の心配がないのもメリットです。

デメリットは次のとおりです。

エコジョーズ同様、設置スペースが必要なこと、初期費用がかかる点に注意が必要です。

ただし、エコキュートを利用することで電気代が安くなることを考えれば、数年で元は取れるでしょう。

さらに、エコキュートは電気代の安い夜中に主に動作することから、動作音が気になりがちな点もデメリットです。

光熱費を削減するならエコジョーズ・エコキュートがおすすめ

光熱費を削減するならエコジョーズ・エコキュートがおすすめ

ここまで解説したように、エコジョーズやエコキュートは従来型と比べて、光熱費を抑えられる点がメリットです。

ガス代・電気代は毎月かかるため、ランニングコストを抑えたいならこの2つの利用がおすすめ。

初期費用はかかるものの、長期的に見るとコストパフォーマンスはいいと言えます。

設置するには注意点あり

ただし、エコジョーズやエコキュートの設置には注意点もあります。

以下2つの点を考慮し、導入するかどうかを検討しましょう。

施工費用が多くかかる

エコジョーズ・エコキュートを設置する際は、施工費用がかかります。

本体代金と専門業者による作業代金を合わせると、およそ40〜70万円ほど必要です。

とはいえ、エコジョーズやエコキュートの導入で光熱費を削減できると考えると、長期的に見ればいずれ元は取れるでしょう。

また、いずれもエコ製品であることから、自治体によっては購入時に補助金を出している場合もあります。ホームページなどで確認してみましょう。

ある程度の設置スペースが必要

エコジョーズ・エコキュートは、一般的な給湯器と比べると一定の設置スペースが必要です。

一戸建てはもちろん、マンションで後付けする場合も設置スペースを考慮しなければなりません。

配管工事や電気工事、場所によっては土台工事も必要になるため、設置場所は慎重に検討しましょう。

マンションに設置されている給湯器の仕組みや構造

マンションに設置されている給湯器の仕組みや構造

マンションに設置されている給湯器の場合、一戸建てとはやや異なる仕組みや構造になっています。

ここでは、マンションで設置される給湯器の2つの方式について見ていきましょう。

個別方式で設置されているケース

個別方式とは、マンションの部屋ごとに独立した給湯器が設置されているタイプです。

多くはベランダやパイプスペースに設置されます。

部屋ごとに柔軟なお湯の利用ができ、料金も部屋ごとに精算されます。

故障やメンテナンスが発生した場合も、1ヶ所のみの対応で済むため修理も簡単です。

セントラル方式で設置されているケース

個別方式と逆で、1ヶ所でお湯を沸かし、そこから各部屋に供給する方式がセントラル方式です。

どちらかというと古いタイプのマンション・アパートで多く見られます。

給湯にかかる電気代・ガス代・維持管理費などは住民で折半する形になりますが、1ヶ所で住む分コストが安くなります。

ただし、メンテナンスや故障が起きるとマンション全体へ影響する点に注意が必要です。

最近のマンションの多くが個別方式で設置されている

最近のマンションは、個別方式での給湯器設置が一般的です。

住戸ごとに利用状況やニーズが異なり、個別給湯を行うほうが柔軟性や効率性が高まるためと考えられます。

個別方式は設置スペースも確保しやすく、住民が快適にお湯を利用できます。

給湯器が故障したら水道業者に本体交換を依頼しよう

給湯器が故障したら水道業者に本体交換を依頼しよう

給湯器が故障してしまった場合は、水道業者に本体交換を依頼しましょう。

万が一給湯器が故障したら、迅速な修理や本体の交換が必要です。

給湯器の設置や修理には専門資格が必要なため、素人がDIYで行うことはできません。必ずプロの資格を持った専門業者に依頼するべきです。

寒冷地や冬場に給湯器が故障すると、生活にも大きな支障が出てしまいます。

可能であれば修理を行い、必要に応じて交換も検討しましょう。

まとめ

給湯器の仕組みや種類を解説|給湯器ごとのメリット・デメリットも紹介まとめ

給湯器には大きく分けて5つの種類があります。それぞれに異なる仕組みや特徴、メリットやデメリットを持つため、自分の住環境に合ったタイプを選択することが大切です。

光熱費を安く抑えたいなら、エコジョーズやエコキュートが選択肢となるでしょう。環境にも優しく、購入で補助金が出る場合もあります。

ただし、設置スペースの確保や初期費用がかかる点には注意してください。

給湯器の故障時は、専門の水道業者に依頼して本体の修理や交換を行うのがおすすめです。新品交換を検討する際は、光熱費を削減できるエコジョーズやエコキュートも候補に入れてみてください。

住環境に合わせた適切な給湯器の選択と、適切なメンテナンスを行い、快適な生活を実現しましょう。

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